バルセロナのサン・パウ病院。

ガウディの大学時代の恩師でもあり、

ライバルでもあるリュイス・ドメネク・イ・ムンタネーが

設計しました。彼は、カタルーニャ音楽堂も設計し、

サン・パう病院と同時に1997年世界遺産登録されています。

 

 

玄関の門。

 

 

入り口から入って、反対側に抜けると、

広い敷地内に左右対称に145,000平方メートル左右対称に、

何棟も病棟が建っています。

 

大きな中庭を挟んで、右側は男性の病棟。

左側は女性の病棟。

 

 

銀行家のパウ・ジルが、人口が急激に増えたバルセロナ市に

対し、新しい病院を建てるようにと多額の寄付をしました。

 

中庭には、ミカンの木がたくさんあり、

たわわに実っています。

 

円形の部分は、患者が休憩を取れる場所として使用

されていました。

 

スペイン語では、モデルニスモ、カタルーニャ語では、ムデルニズマ

建築様式の特徴がよくわかる建物です。

 

建設当初は48病棟作るはずでしたが、予算の関係で18棟のみと

なりました。

 

全ての病棟に太陽の恵みが行き渡るように、

中庭は平ではなく、傾斜が設けられており、

奥に行くほど高くなっています。

 

屋根の部分には、各部屋に新鮮な空気が

届くように換気口が幾つも設けられています。

 

 

全ての病棟は、地下通路でつながっています。

 

バルセロナは海に面しているため、

強風が吹き荒れることもあります。

 

中庭の真ん中には手術室があるため、地下道を

通り手術室へと移動していました。

 

建物の壁には、この病院を建てるために

大金を寄付したパウ・ジル氏の名前から

GとPの文字をかたどった彫刻が所々施されています。

 

 

2009年までは、病院として使われていましたが、

2014年から観光客に対して門を開いているだけでなく、

国連機関など様々な機関が事務所を構えています。

当時の様子を再現した映像が廊下の壁にも。

 

天井のステンドグラスを拡大してみると

 

カタルーニャ音楽堂のステンドグラスまでは

行かなくても、とても美しいステンドグラス。


彼はこの病院を設計するにあたり、

ヨ-ロッパの複数の病院を巡って、

美を追求するだけでなく、機能的な空間を

作り出すように学びました。

 

病気になると、どうしてもネガティブな気持ちが

増えるけれど、こんな芸術鑑賞できる空間なら、

楽しい気持ちも増えますよね。

 

病人にとって最も良い薬は、患者本人が

如何にポジティブ思考を保ち続けることが出来るか。

 

 

サン・パウ病院模型。

 

 

サン・パウ病院は、サグラダ・ファミリア

からもほど近い場所にあります。

サグラダ・ファミリアの朝焼けを堪能したら、

次にサン・パウ病院に行くようにすると

効率よく観光名所を巡ることが可能です。