ダンサー相手のレッスン指導 | Kanon's diary

Kanon's diary

雑記帳である。

昨日は監督がレッスン時間になっても来なかったので、団員たちの希望で私が代わりにクラスレッスンを作ることになった。

ダンサー相手にコンビネーションを組むのは初めて、しかも突然のことだったので即興。
アカデミーで学ぶ子供と劇場で踊るダンサーでは、同じメソッドでもレッスンの趣旨が違うので一つのPasに対する用法も異なる。
例えばSissonne ouvert battueは2/4, 3/4拍子8~16カウント内のコンビネーションで行うのは2回まで(連続の場合)
初期段階では右足前クロワゼ五番、身体は八の方向からプレパレーションから次の順で行う;
1.(前) 基本型の第三アラベスク形45度
2.(横) アンファスで脚は45度横腕は第二ポジション
3.(後)クロワゼ前右足45度、右腕は第二で左腕は第一ポジション
慣れてきたら全てをエファッセ/ecarte前後/手の形がアロンジェ,アロンジ/arabesque 第1~4形 等、様々なポーズで行うという決まりがある。
アカデミーで子供たちには教育を与えるのが目的なのでプログラム通りのルール;pasを行う順番 回数 拍数なども正確に守らなければならないが、ダンサーはもうそれらを学び終えているので+α 発展形が求められる。
そこで私は、Sissonne ouvert battueをPas-jete renversee とgrand temps lie en tournantと、*4種類目にgrand en lair sauteを合わせてみた。共通点は全て両足から片足着地する跳躍というところ。(*は教師の指定がある場合に限りpasは3種類+1~2までなら可能)

教授法は一つでも、理論は一つには収まりきらないことを再確認、いつも思い出すのはタラソフのアッサンブレ論。これについては話題が尽きない、今も私もボリショイのレービチ先生とこのテーマについてよく話し合っているが、模範解答らしい1つだけの答えは存在しない。解釈の仕方によるという。曖昧だ、と思われるかもしれないがバレエのテクニックは進歩し続けているので昔の理論だけでは足りなくなって当然なのだ。従って私たちはそれを踏まえた上で指導しなければならない。だからこそ教師をやるなら、若いうちは特に踊って実践をする必要があると思う。
今回こうしてダンサー相手に1時間、クラスを作ったことは私にとっても大きな収穫だった。

気がついたことも反省点も山とあるが、何より楽しかったし、今まで大学で学んできたことがこうして誰かの役に立ち、ダンサーから「いいレッスンだったありがとう!」と感謝されるととても遣り甲斐を感じる。楽しかった。



2月 国家試験後。
ああ、ボリショイ9年も通った甲斐があった。学校は終わったけど、研究は終えてはいけませんね。