東京ミッドタウンにあるサントリー美術館で開催中の
「京都・智積院の名宝」展に行った。
(会期:~2023年1月22日(日)
京都・智積院とは、
多くの国宝や重要文化財を持つ智積院は、
京都の東山にある、真言宗智山派(ちさんは)の総本山。
弘法大師空海(774~835)
から始まる真言宗智山派の総本山で、全国に末寺約3,000を擁す。
高野山中興の祖と言われる興教大師覚鑁(かくばん)(1095~1143)
からの法統を受け継ぎ、室町時代中期に紀伊国(現在の和歌山県)
の根来寺(ねごろじ)に創建した。
その後、豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)と対立することで一時衰退するものの、
江戸時代初期に徳川家康からの寄進を受けて再興を遂げた。
京都旅行でこの前を通ったことがあったが、内部には入ったことはなかった。
(展示構成)
第1章:空海から智積院へ
1705年に作成された
智積院靈寶并袈裟世具目録は
この時点での智積院の持つお宝リストが展示され。
貴重な資料だった。
第2章:桃山絵画の精華 長谷川派の障壁画
もともとここは豊臣秀吉が3歳で夭折した
息子・鶴松の菩提寺として建立した祥雲禅寺。
長谷川等伯一門が描いた金碧障壁画群は
建立時に描かれていたという。
徳川政権の時代に、祥雲禅寺から譲り受けた智積院が
今日まで大事に守り伝えてきた。
(撮影不可なのでネットよりいただいた画像)
他の障壁画は火事等で
上下左右が切られてるものが多いが
これは本来の大きさのままで高さ2m28cm大きな絵
大きな絵画は見ごたえ十分!
ポスターより部分拡大してみた。
等伯の長男、久蔵の描いた「桜図」は優しさに溢れ
八重の花びらはふっくら見えるよう一つ一つ胡粉を厚く盛っている
立体的な八重桜だった。
この絵を描いた直後26歳の若さで亡くなっていて惜しい。
鳥が居ず白い花の絵が多いのは、
秀吉が亡き長男鶴松の弔いの為に建立した寺が始まりだったからとか。
★楓図 長谷川等伯
「楓図」は四面と二面に分かれているが二面の方に楓の美しい彩色が残っている。
普段非公開の為色彩が残ったのだろう。
他にも印象深いものが、多数あった。
★松に黄蜀葵図 長谷川等伯
寺外初公開
3m30cmの超大作
★十六羅漢図屛風
(羅漢は悟りをひらいた高僧)
等伯71歳の最晩年の作
若い頃はお坊さんの肖像画を多く描いていた
その画風に原点回帰しているかのよう。
羅漢さんは、通常は怖い顔なのだが、
これに描かれた羅漢はユーモラスで親しみやすい表情だった。
第3章:学山智山の仏教美術
★国宝 金剛経 張即之
持ち主は運敞僧正
第一章に展示されてる運敞の書は
張即之の影響と思われている。
☆童子経曼荼羅図
第4章:東アジアの名品集う寺
中国は、当時、幕府とつながりがあって入手しやすかったから
中国の絵画がたくさんある。
通常は非公開の
土田麦僊と堂本印象の作品もあった。
堂本印象の婦女喫茶図と松桜柳図は
長谷川派の障壁画の影響を感じる
会場の様子をYouTubeさんよりいただいた。
2022年最後の美術博物巡りの見納めだった。
なんと言っても等伯一門の襖絵が圧巻。
狩野派を意識した松も等伯が描けば
品良く控えめでいて華やかだった。
宗派を超えた僧や朝廷、幕府からと広く寄進物が有り、
いかに大切にされてきた寺の宝物だけに状態も良かった。
密教法具は12月に法要で実際に使用している物が後期に展示される。
智積院は、庭園も見事なことが6Fのビデオの映像でわかった。
京都旅行の時は、智積院も旅程に入れておこう、と思う。
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