ルノアールと梅原龍三郎 | Studio Kanons memory スタジオ かのんズ メモリー

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先日、東京国立近代美術館で、

梅原龍三郎の作品を視た時、

 

2016年秋に三菱1号館美術館で行われた

「拝啓ルノワール先生ー梅原龍三郎に息づく師の教え」

の内覧会に行った時のことを思い出した。

 

改めて、このブログに記録しておきたい。

(以前のブログがサービス終了になるので)

 



本展はルノワールと梅原の作品だけでなく、

梅原がコレクションした作品、

梅原と親交のあったピカソやルオーらの

作品約80点の展示であった。

梅原龍三郎(1888-1986)

ヨーロッパで学んだ西洋絵画の

単なる模倣ではなく、
桃山美術・琳派・南画といった

日本の伝統的な美術を取り入れ、
個性あふれる豪華絢爛な日本の洋画

を確立した巨匠。

(作品の撮影は美術館より特別許可を得ております)。



20歳の自画像 渡航する前。

近代化が進み、油彩画が

日本に定着した頃の1908(明治41)年、

20歳の梅原は渡仏し、ルノワールに会った。

パリに着いて、まだルノワールに会う前に描いた作品。



「少女アニーン」 下宿先の少女

 



「横臥裸婦」

1909年南仏カーニュ・シュル・メールの

アトリエにルノアールを訪ねていた。



紹介状もなく訪ねてきた20歳の梅原を、

リウマチを患っていたルノワールと梅原龍三郎が

会った当時の二人と一緒にスリーショットを写せる場所が

会場内にあった。


パリに到着後、ルノアールと師弟関係を持った後に描いたもの



「はふ女」 梅原龍三郎



「読書」  梅原龍三郎

 

 

スペイン旅行をしたときに観た

エル・グレコの影響がある「自画像」




「ナルシス」 梅原龍三郎

ヨーロッパから帰国した年(1914)の作品で、

ギリシャ神話のナルシスは

水鏡に映った自分の姿に恋する話だが、

これはたくましい青年が洗面器を眺めて

物思いに沈んでいる。 

 

梅原龍三郎が自分流に解釈して描いたもの。

世界は広くて大きいから、

そんな狭い世界で

自己陶酔してはいけないよ、

と、いっているような?

初期とは変わり、華やかで大らかな画風になっていた。






「パリスの審判」

上:ルノアール   下:梅原龍三郎

構図は似ている。


が、晩年(この時、すでに90歳に達していた)
に描いた梅原は

スタイルにとらわれず

自分流に天衣無縫に描いているようだ。


会場には、ルノワールと梅原龍三郎、

二人の言葉も随所に掲げられていた。




 



そのほかにも印象的な言葉を

ルノアールは梅原に与えていた。

デッサンは練習すれば上手になるが、

色彩は気質や天性によるものだから、

それを生かしなさい。と。

第一次世界大戦終結間近の1918年8月2日付の

ルノワールから梅原への手紙も
展示されていた。



夫人のアリーヌ・シャリゴが亡くなったこと、

長男のピエールと次男のジャン(後の映画監督)

が戦傷を負ったが生きているので、

まだ自分は幸福だ

と思っていることなどが書かれていた。

幸せの画家といわれるルノアール。

どんな状況にあっても幸福を見つけるルノアール。

人を幸せな気持ちにしてくれる。

梅原が魅かれるのは、

光輝く明るい色彩で描く

ルノアールの心なのだろう。

梅原龍三郎が会いに行った頃の

ルノワールは既に老大家であり、

印象派の画家たちは名声を博したものの、

この頃は時代遅れとも思われていた。

フォービズム、キュビズム、未来派などの

新しい美術が花開いていた。

梅原はこれらに無関心ではなかった。

新しい世代のピカソやルオーなどにも関心を寄せ、

優れた鑑識眼を持つ「コレクター」でもあった

梅原龍三郎!何回かの渡航で収集していった。

自身が愛蔵したルノワール、 ピカソ、ルオー、ドガらの作品を

まとめてここに展示してあった(これらは撮影不可)。

本展は、梅原の描いた絵画と

元となったルノワールなどの絵が

同時に鑑賞でき、かつ独自の作風が生み出される過程が観られた貴重な機会だった。

 

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