三菱1号館美術館で開催中の"三菱の至宝展－国宝、集結”を観た。
美術館内は安全だけど、行くまでの道程が心配だった。
しかし、平日の昼間で、ビジネス街のせいか、
東京駅周辺は閑散としていた。
今回の展覧会では、
三菱の創業１５０周年を記念して、
岩崎家４代の社会貢献の歴史をたどりながら、
国宝１２点、重要文化財３１点を含む貴重な作品群、
１００点が展示されていた。
三菱一号館を構想した岩崎彌之助が創設し、
嫡子小彌太が創設し、その子、小彌太 が拡充した静嘉堂文庫美術館、
岩崎久彌によるアジア最大級の東洋文庫（東洋学研究図書館）、
三菱経済研究所の所蔵品が一度に見られる貴重な展覧会だった。
（展示構成）
第1章 三菱の創業と発展 ―岩崎家4代の肖像
第2章 彌之助― 静嘉堂の創設
第3章 久彌―古典籍愛好から学術貢献へ
第4章 小彌太 ―静嘉堂の拡充
以下、国宝(展示替えあり）
「曜変天目（稲葉天目）」南宋時代
俵屋宗達「源氏物語関屋澪標図屏風」江戸時代
趙孟頫「与中峰明本尺牘」元時代
「禅機図断簡智常禅師図」元時代
伝馬遠「風雨山水図」南宋時代
手掻包永「太刀 銘 包永」鎌倉時代
「文選集注」平安時代
「倭漢朗詠抄太田切」平安時代
「史記」平安時代
「毛詩」唐時代
「春秋経伝集解」平安時代
「古文尚書」初唐時代
印象深い作品
俵屋宗達「源氏物語 関屋 澪標図屏風」江戸時代 静嘉堂蔵
国宝 伝馬遠 《風雨山水図》 南宋時代（13世紀） （公財）静嘉堂蔵
マルコ・ポーロ「東方見聞録」1485年刊 アントワープ 東洋文庫
なんといっても一番の主役は、メインビジュアルになっている
「曜変天目（稲葉天目）」南宋時代 静嘉堂
「曜変」とは、元来「窯変」を意味した言葉とされ、
文献で「星」または「輝く」を意味する「曜」の字が当てられるようになるのは、
15世紀前半頃からである。
室町時代の文献『君台観左右帳記』において、
「曜変」は、唐物茶碗「土之物」（陶製の茶碗）のうち、
もっとも貴重で高価な茶碗として、分類格付けされてきた。
福建省建窯の焼成品で、これは偶然の所産と見られている。
静嘉堂文庫美術館所蔵の曜変天目（茶碗）は、
もと徳川将軍家所蔵であったものが、
三代将軍・家光の時代、
春日局を経て、後に淀藩主となる稲葉家へ伝えられたとされる。
今日、世界中で現存する曜変天目（完形品）は、
日本にある三碗のみ、
京都・大徳寺龍光院、大阪・藤田美術館所蔵の各一碗と
本碗で、すべてが国宝に指定されている。
円満な顔に和む。
おかめの面
商売繁盛だけでなく、
社員が和やかな態度で接客するための指針として
飾っていたそうだ。
三菱グループ、凄い資力だ！
後期も、観にいきたい。
そして、
静嘉堂の作品は来年、明治生命ビルの１Fで見られるようになるらしい。
それも楽しみである。
Information
会期：2021年6月30日（水）～9月12日（日）＊展示替えあり
[前期 8月9日（月・祝）まで／後期 8月11日（水）から]
開館時間：10:00～18：00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日：月曜、展示替えの8月10日（火） （但し、祝・振休の場合、7月26日、8月30日、9月6日は開館）
会場：三菱一号館美術館
https://mimt.jp/
主催：三菱一号館美術館［三菱地所（株）］、（公財）静嘉堂、（公財）東洋文庫
特別協力：（公財）三菱経済研究所
協賛：三菱創業150周年記念事業委員会
協力：三菱ケミカル（株）、東京海上日動、日本通運
参考
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