6月大歌舞伎 二、日蓮(にちれん) ―愛を知る鬼(ひと)―  | Studio Kanons memory スタジオ かのんズ メモリー

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                                                  日蓮の絵看板 (横山大観 作)

 

 

中日にようやく観劇でした。

 

 

日蓮聖人降誕八百年記念

横内謙介 構成・脚本・演出

市川猿之助 演出

 

二、日蓮(にちれん)―愛を知る鬼(ひと)―

 

蓮長後に日蓮:   市川猿之助

成弁後に日昭:   中村隼人

善日丸:            市川右近
麒麟坊:            市川弘太郎

道善房:            市川寿猿

賤女おどろ:       市川笑三郎

日蓮母梅菊:      市川笑也

阿修羅天:         市川猿弥

伝教大師最澄:   市川門之助

 

※「鬼」は正しくは角なし。

 

日蓮聖人降誕八百年記念」として企画されたもので、

主人公は日蓮聖人。

 

横内謙介の構成・脚本・演出で、

猿之助が演出と主演を務める。

これを支えるのが、澤瀉屋一門の芸達者な俳優陣。
 

内容は、比叡山で修行を積み、

日蓮がその名前で日蓮宗を開くより前の、

蓮長と名のっていた若き日の日蓮を描いた

新作歌舞伎だった。

 

時は、鎌倉時代。

戦乱や天災、疫病の流行、蒙古襲来などの

苦難が人々を苦しめていた。

 

舞台となるのは、天台宗の開祖・最澄が建てた比叡山延暦寺。

 

蓮長は修行を積むうちに、

釈迦の教えとしてたくさんの経典がある中で

「法華経だけが唯一の尊い経典だ」という結論に至る。

 

蓮長の思いの強さに、

他の修行僧たちと折り合いが悪くなっていた。

 

劇中では、蓮長の思想を描くことから一歩も逃げることなく、

 

ひとりの人間である蓮長の表裏一体の心の葛藤は、

 

日蓮の子供時代の清らかな思いの善日丸(右近)と

 

激しい気性の阿修羅天(猿弥)によって

 

芝居で表していた。

 

両者も生涯、日蓮の持った深層心理である。

 

目には見えないというものを芝居であらわすとは

 

猿之助の素晴らしい演出である。

 

市川猿之助の日蓮をはじめ、

市川猿弥の阿修羅天、

 

市川笑三郎の賤女(せんじょ)、

 

市川右近の善日丸、

 

市川弘太郎の麒麟(きりん)坊が好演。

 

また、

スーパー歌舞伎Ⅱ「オグリ」で猿之助の抜擢で、

Wキャストを行った日昭を演じる

中村隼人は声もせりふのキレがよくなって、

華を添えていた。

今後の古典での活躍が楽しみである。

 

91歳の市川寿猿の矍鑠(かくしゃく)たる姿と声がうれしい。

 

市川門之助の最澄が日蓮に光を差し伸べる、これにも救われた。

 

門之助は「オグリ」の薬師如来を観たが、

人に光を差し伸べる役にピッタリ、と思う。

 

(実は、それで閃いて薬師如来の絵画を描いた。

門之助さんは男っぽいけど、私のは女っぽい。)

 

 

猿之助は、現代語のセリフに緩急をつけながら

ラストには圧倒的な存在感で,

清らかで、まぶしく、あたたかった。

 

最後の長いセリフは絶叫マシーンのような

叫び声。


語られない過去経緯もあったが、それを想像させるシーンもあって

よく約1時間の幕に収めた、と思う。


とにかく猿之助のカリスマ性が見事に発揮されていた舞台と思う。

 

猿之助であるからこそ説得力を持つ作品と言えるかもしれない。

 

スーパー歌舞伎に通じるものを感じさせる。

終演は万雷の拍手だった。

 

 

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