先日の東京藝大猫展を鑑賞した後、
東京藝大美術館で開催中の
東京美術学校(美校)開学から現在の東京藝術大学まで、
130年以上にわたって引き継がれている
本学の美術・教育資料の集積である。
2020年の展示では、
美校・藝大に残された多様な美術作品によって、
学史を「年代記」のように辿ってあった。
【本展の構成】
第1部 「日本美術」を創る
おもに東京美術学校のコレクション形成で重要な時期を、作品とともに紹介。
イントロダクション
1 1889年 東京美術学校と最初期のコレクション
2 1896年 黒田清輝と西洋画科
3 美校の素描コレクション
4 1900年 パリ万博と東京美術学校
5 1931年 官展出品・政府買上作品
中には何度も鑑賞したことがある作品もあったが、初見のものもあった。
感じるおさらいもあって、改めて藝大コレクションの名品を楽しんだ。
中でも、
・上村松園の《序の舞》
・狩野芳崖の《悲母観音》
・原田直次郎《靴屋の親爺》1886年
・高橋由一《鮭》1877年頃
・鏑木清方《一葉》1940年 など,、興味深い。
第2部 自画像をめぐる冒険
東京美術学校の卒業制作、そして自画像を年代順に紹介しながら、学史を辿る。
・イントロダクション
・自画像コレクション
・卒業制作
・ヨーゼフ・ボイスと東京藝術大学
生徒の卒業制作の一環でつくられた「自画像」コレクションは、1898年から、
戦中戦後の混乱期(1942-49頃)および戦後の約20年間(1955-76)の中断を除いて、
継続されており、現在6,000件超が所蔵されているという。
その中で、
1898年から1954年までに制作された自画像100点超が上下2段展示。
中国や朝鮮・台湾出身の生徒の自画像も多い。
一方、女性の生徒の自画像はほとんどない。
1946年までは男子校だから。
それでも戦前期に女性の自画像が1点登場する。
それも白人女性。外国人女性を特例で受け入れることがあったらしい。
マリー・イーストレーキ(1886〜1925)
《自画像》1907年3月
アメリカ国籍で「祖父は日本に近代歯科医学を初めてもたらせた人物。
父は英国辞典の刊行や英語教育で名高い人物、母は日本人。
普通に日本語を話すが容貌はアメリカ人風」の女性であったようで、
卒業後も意欲的な姿勢を見せていたが、「1913年に日本人の銀行員と結婚し
消息を絶ってしまった」という。
青木繁、熊谷守一、藤田嗣治、佐伯祐三といったレジェンドから
初見の作家も多数観られて、素晴らしかった。
立派なパンフレットも頂けて大満足。
オススメです!
会期:~10月25日(日)
午前10時 - 午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日: 月曜日
会場: 東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2
観覧料
一般440円(330円)、大学生110円(60円)、高校生以下及び18歳未満は無料
※ ( )は20名以上の団体料金
※ 団体観覧者20名につき1名の引率者は無料
※ 障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含
公式サイト
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