世界中で最もよく知られた日本の芸術家である葛飾北斎 Hokusai(1760~1849)。

 

20歳で浮世絵師としてデビューして以来、90歳で没するまでの70年間、常に新たな絵画を創造しよう挑戦し続けた。度重なる画号の改名とともに、画風もまた変化し続けた。

常にupdateし続けた人生だった。

 

購入した新・北斎展 Hokusai Updatedの図録に沿ってメモを記録しておきたい。

 

(図録構成)

1.春朗期 The ShunroPeriod:DiversWorks from His Debut Period

 

歌舞伎役者の似顔絵で人気のあった勝川春草に入門し、役者絵・美人風俗画・子供絵・名所絵・武者絵等、幅広い題材の版画を制作するだけでなく、さまざまな本の挿絵も描いている。

            デビュー作~役者絵

 

 

この時期に、少しづつ北斎独自の様式を確立する下地を作った。

 

2.宗理期:The Sori Period:Developing the Sori Style

勝川派から離脱して琳派の宗理の名を継いだが、浮世絵画派とは一線を画する作画活動を行った。1798年、北斎は宗理の号を門人の宗二に譲り、北斎辰政と改号した。

       摺物風の名所絵

 

      西洋画法を意識した洋風風景画

 

                  美人画 

 

3.葛飾北斎期ー読本挿絵への傾注 The Katsushika Hokusai Period:Illustrating Yomihon

1805年、北斎は葛飾北斎と号した。

読本と呼ばれる小説の挿絵に大きな貢献を果たし、画面は読者をひきつけた。

 


            東海道五十三次シリーズ

 

    新板近江八景 シリーズ

 

         かな手本忠臣蔵ー今回が初公開

 

          ユーモアたっぷり

 

4.戴斗期「北斎漫画の誕生」The Taito Period:The Birth of Sketches by Hokusai

1810年から1819年まで、北斎は戴斗の号を用いる。

門人の増加の対応、全国的にも散在していた多くの私淑者のためにも絵手本を発表し始める。

 

             東海道名所一覧

広範囲の場所を空中から眺めた鳥観図は、北斎が極度の緻密さで描くことができる絵師だったことを示している。

 

            小品ながら扇面にユニークな作品

            「なまこ図」、「芋の図」、「生首図」

            北斎の西洋研究の一端が窺える。

 

次は、北斎を象徴する時代といきますが、画像の関係で次回またといたします。

続く