大塚国際美術館では、初めて観た名画がたくさんあった。
ここでは特に興味深かった近代絵画と現代絵画を記録しておきたい。
「ナナ」 エドゥアール・マネ(1832年~ 1883年)
エミール・ゾラ(フランスの小説家)の「ナナ」のモデル像。
この可愛い女「ナナ」は女優で高級娼婦。
次々と上流階級の男たちを虜にして散在させ破滅に陥らせる悪女。
最後は天然痘になって醜い姿になって行方しらず。
当時は音楽家、画家、小説家などの芸術家交流サロンがあったようで、
そこで創作のインスピレーションを沸かせていた。
小説家ゾラは画家マネとも親交があったので、この絵を描いた。
かって「ナナ」を読んだ時、どんな姿形か想像していた。
その人がこれかと見入ってしまった。
ちょっとぽっちゃり系で可愛い雰囲気はあるな、とも。
背景に描き込まれた鶴。当時のパリでは鶴は娼婦を意味するらしい。当時の流行であるジャポニズムを垣間見ることができる。
背後にいる山高帽の男性はお客さん。笑える。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)「自画像」
ゴッホの絵は、たくさん観てきたが、これは観たことがなかった。
この自画像は亡くなる前のものだったが、目に力を感じる。
六輪のヒマワリ
ゴッホの<ヒマワリ>で有名なのは、
アムステルダム、ロンドン、ミュンヘン、フィラデルフィア、東京(損保ジャパン日本興亜美術館)所蔵の大型(90~100cm×70~75cm)の<ヒマワリ>である。
これらはアルル時代の作品だが、ゴッホはパリ時代にも何点かの<ヒマワリ>を描いている。これは有名な5点の<ヒマワリ>の原点にもなった作品。
東京の武者小路実篤記念館所蔵での全面的な協力のもとによみがえった。
ヨンキント・ヨハン・バルトルト (1819 ~ 1891) セーヌ川とノートルダム
クロード・モネに影響を及ぼした画家といわれる。
今も変わっていないこの景色。またパリに行きたい、とそそる風景だった。
ピカソを世界に一躍有名にした<ゲルニカ> 超大作 349cm×777cm
1937年、フランコ将軍の要請でナチス・ドイツ軍はスペインの古都ゲルニカを全滅させた。これに衝撃を受けたピカソは、この作品をパリの万国博覧会の壁画としてわずか1か月で仕上げている。直接的に爆撃を想起させるものは何も描かれていないが、ミノタウロス、母子、曲芸師など、彼が好んだ主題すべてがネガティブに反転させられている。それゆえに、人間の暴力と悲劇に対する普遍的で強烈な反対の意思表示が伝わってくる。(解説より抜粋)
染色でスプラッシュ染をやったが、それに似ていたので興味深かった。
わずか、4時間あまりの鑑賞だったが、すべてを観るには1日は必要と思った。
思うに芸術鑑賞は、文学や往時の文化・社会的背景や歴史も理解する学びの場でもあるし、旅の楽しさも増すなど、深い意味も持っていると感じている。