夕暮れが迫る頃に始まった静嘉堂文庫美術館で行われた「歌川国貞展」
ブロガー内覧会に行った。
静嘉堂文庫美術館は、旧三菱財閥の故岩崎弥之助・小弥太氏によって収集された、
「曜変天目茶碗」などの国宝や和漢20万冊の古典籍や重要文化財を含む6500点の古美術品が収蔵されている。
本展は、江戸時代後・末期(19世紀前半)の浮世絵師として
人気ナンバー1の「歌川国貞」にファーカスして展示されていた。
まずは、歌川国貞(1786-1864、三代歌川豊国))について、
トークショーで聞いた話を交えて記録する。
浮世絵というと北斎や歌麿、最近では歌川国芳などが人気になっている。しかし、
江戸時代で一番の人気絵師はこの歌川国貞だった。美人画、役者絵を得意とした国貞は数万点の作品を残している。二十代半ばから七十代で亡くなるまで50年間人気が持続し、生涯現役の人だった。
ちなみに、浮世絵師の活躍期間は
喜多川歌麿は十数年、
安藤広重は三十五年程度、
東洲斎写楽に至っては一年足らず。
そんな歌川国貞の作品を静嘉堂文庫は四千枚を所有している。
特徴として、画帖仕立てになっているものが多く、
裏表に作品が貼ってあるので、このような美術展での展示には不向きなのが難点。
しかし、そのおかげで、色味がよく保存されているという功績もあった。
紫やピンクなど、光に弱い絵の具が使われているが、それもきれいに残っている。
いつものように館内の写真は特別許可をいただいております。
展示の最初に「浮世絵の制作工程を描いた浮世絵」が展示されていて、
詳しい説明があった。
描かれているのはみんな女性だけど、実際はほとんどが男性の仕事だったそうだ。
浮世絵、錦絵の場合、特徴的なのは、この「下絵を描く」、「版木を彫る」、「紙に摺る」という3つのプロセスが、それぞれ専門職として分業化されていた。
各プロセスごとに、絵師「絵を描く専門家」、彫り師「版木を彫る専門家」、
摺り師「紙に摺る専門家」がいた。
三者が協力して完成させるものだった。
江戸時代後期は三者の技術が最高峰に達した時代と言われている。
次に「今風化粧化神鏡」にいった。
お歯黒が上手くできなかった女性とかユーモアたっぷりだった。
そのほかにも花魁や美人画など
錦絵は当時女性にとってファッション雑誌の要素もあったようだった。
町人をモデルにした当時の庶民の生活様式がわかる作品が多かった。
そして、
二人の絵師による合作「双筆五十三次」
「歌川国貞」展は下記の通り、開催中。
- 会期 : 2018/1/20(Sat) - 3/25(Sun)
途中、展示替えあり:前期 1/20 - 2/25 、後期 2/27 - 3/25 - 開館時間 : 10:00 - 16:30
- 休館日: 月曜日 (祝日の場合は開館・翌日火曜日休館
- 料金 : 一般1,000円 学生 700円 中学生以下 無料
- 公式サイト : 静嘉堂文庫美術館 | 開催中の展覧会・講演会
- 図録:「江戸の女性」、「江戸の役者」 各350円
次に日本の伝統芸能のひとつ、歌舞伎にまつわる錦絵、浮世絵を観た。
それは後ほど。