こんにちは。
スピリチュアルタロット占い師 奏音(かのん)です。
いつも読んでくださって、ありがとうございます。
緊急事態宣言は、延長されるようですね・・・。
まだまだ、外出自粛が続く中、少しでも、その閉鎖感を忘れて頂ければと思い、今日は、私が高校生の頃に体験した、怖い話をアップさせていただきます。
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教室の窓が全開になっていたということは、多分、当時夏だったのだと思います。
高校2年生の時、1時間目の授業を受けながら、ふと外に目をやりました。
田舎にあったうちの高校は、敷地が広く、視線のずいぶんと先の方に土手がありました。
その土手は、地面から2メートルくらいは、コンクリートになっていて、その上が土と草で、斜めに奥の方に伸びている感じでした。柵などはありません。
その土の部分の土手の途中に、1か所だけ石のような、コンクリートのような小さなでっぱりがあり、
そこを椅子のようにして、薄いグレーの作業服を着たおじちゃんが座り、煙草を吸っていました。
当時は、校内禁煙なんてルールはなかったので、あっ!もちろん学生はダメですが、先生達は普通にタバコを吸ったりできる環境でした。
お弁当を食べたあとの午後の授業中にも、そのおじちゃんが、同じ場所でタバコを吸っている姿が見えました。
「あのおじちゃん、一日さぼってんじゃん!」
退屈なちっとも分からない授業を、一日中受けている私にとっては、反感を持ちつつ、うらやましくも感じました。
その翌日も、かすかにタバコの煙のにおいが漂ってきました。
外を見ると、また同じ場所に昨日のおじちゃんがいます。
その翌日も、一日中、そのおじちゃんはその場所にいました。
さすがに、ん!?と思った私は、その日の下校時、クラスメイトに初めて打ち明けてみました。
「ねね。土手のところで、毎日おっさんがタバコ吸って、油売っとうやん。なんの仕事しよっちゃろ?」
友人たちは、全然気づいていなかったらしく、
明日いたら教えて!っていう話しになりました。
翌日は、朝からではなく、
なぜか午後にそのおじさんは、定位置に現れました。
授業中でしたが、私は、クラスメイトに目配せをして、おじさんの方を指さしました。
友人は、窓の外を、首を伸ばして覗きました。
ですが、いないよ~と小声で言います。
マジ!?
ん!?
その二人のやりとりを見ていた別のクラスメイトが、なになに?と
入ってきて、たちまちクラス中の生徒が一斉に窓の外を見るという状況になりました。
そして、みんな、
どこー?いないじゃん?
と言っています。
その変な空気感を感じて、先生が授業を止めます。
【どうした?】
いつも目立っているクラスメイトが、真っ先に先生に言います。
『かのんが、土手のところでおじさんがずっとタバコ吸いようって言よっちゃけど、みんなどこか分からんと』
【えっ、どこ!?】
先生が、窓側に歩いていったのに合わせて、みんな一斉に窓に集まってきました。
「あそこにおるやん!」
私が指をさしても、
どこ?どこ?って、
先生も含めてみんな分からず、キョロキョロしています。
「あの石みたいなのがあるやん。その上に座っとうやん」
【あっ!・・・それは・・・】
先生が言葉を濁しながら、私を見ました。
一瞬、しーんとしました。
【はい。今日の授業、もう終わり~。
今から奏音が言ってる場所まで行くけど、一緒に来る人は来て。
但し、不思議なことを信じん人や、怖い人は教室で待機~】
なになになに~。
ほぼほとんどの生徒が面白がって参加し、その場所まで歩いて行きました。
そんな土手なんて、これまで行ったことはなく、遠回りして坂を登らないといけないことも初めて知りましたし、辿り着くのに、けっこう時間がかかりました。
【奏音、ここやろ?】
先生が指さした場所には、私が見た石のような、突き出しているものがありました。
「はい、ここです」
その正面にまわると、その石は御影石のような感じで真四角で、
慰霊碑と書いてありました。
えええええっ!!!どういうこと???
みんな、ちょっとしたパニック状態です。
うちの高校は、当時、まだ開校して数年しか経っていない、新しい高校だったのですが、先生が言いました。
【この高校を建てる時に、この場所で、事故で一人作業員が亡くなってしまったらしくてね、これは、その人を供養するために作った慰霊碑って聞いてるよ】
えっ!じゃ、奏音がみてたのは、幽霊ってことー!?
みんなさっきより、パニック状態です。
【こらっ、騒がん。みんなで供養のために、手を合わせるよ】
そう先生が言った瞬間、私の頭に映像と言葉が浮かびました。
「先生!ちょっといいですか」
私が口をはさみます。
「この方は、当時も休憩中でタバコを吸っていて、土砂が崩れて亡くなられたみたいです。
中学生の娘さんがいたみたいだけど、どう接していいか分からずに悩んでいたそうです。
こんなことになるなら、嫌われてもいいから、もっと色々と話をしておけばよかったって言っています。
みんな、お父さんをうっとおしく思うお年頃だろうけど、どうか、時には優しく声をかけてあげてね。無口なお父さんでも、絶対心では嬉しいはずだからって、伝えたいみたいです」
そうなんだー。
わかったよ。
でも、うっとおしいんよね・・・。
色々な声が飛び交いましたが、
そのあと、みんなで静かに手を合わせて、その場所をあとにしました。
教室に戻ると、先生が塩をふりながら、一人ひとりに、なにか呪文のような言葉を唱えていきました。多分、悪い影響がないように、お祓いをしてくれたのだと思います。
学校の先生が、なぜそんなことできるの?と思われるでしょうが、実はこの先生、実家がお寺で、ご自身もそこの僧侶でもある方だったのです。
すごい出会いです。きっと偶然ではありません。
私もまだ当時は、自分だけが視えるものと、誰にも見えるものとの区別がつかず、振り回されて体調を崩すこともあったのですが、
その後は先生のアドバイスや、知り合いの霊能者さんを紹介して頂いたりして、
少しづつ自分というものがわかり、体調も取り戻すことができたので、この先生と会えたことには、今でも感謝しています。
このことを境に、私は学校の友達や先生方から「神がかり」と呼ばれるようになりました。
高校生の頃って、必ず、怖い体育の先生がいて、体育教官室に用事がある時って嫌じゃなかったですか?
ですが、私が行くと、怖い先生が、「あっ、神がかりさん。今日は何のご用件でしょう・・・」
って、ニコニコ寄って来てくれるようになったので、そこは神がかりになってよかったなって思いました。
でも、風紀検査の違反とかで、教官室に怒られに行く友人の付き添いばかりさせられたりもしたので、それは、めんどくさかったです・・・。
話が戻りますが、なぜ突然、事故で亡くなったおじさんがでてくるようになったのか・・・私には心当たりがありました。
慰霊碑の前で、クラスメートたちに、父親に優しくしてねって伝えていた私でしたが、
実は私、その時、父親と大喧嘩をして、1週間くらい口を聞いていなかったのです。
話しかけられても無視。
姿がみえれば、部屋に引っ込む。
露骨にうっとおしいぞアピールをしていました。
まさに、そんな私だからこそ、急にそのおじさんと波長が合ったのだと思います。
「まっ、確かに父親は悪気はないんだよね。
不器用だけど、私を心配してるんだろうし・・・・」
帰宅してから、私から父に謝りはしませんでしたが、
同じ空間にいることを拒否らないことから、まずは始めました・・・・(笑)
色々な過去がたくさんつまった、今でも思い出すと少し切なくなる、私の体験した怖いお話でした。
今日も読んで下さって、ありがとうございました。
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