事例382『玄関部 基礎の通気』 | 欠陥住宅を調査する建築士のブログ

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検査で撮影した欠陥写真の解説。検査やハウスメーカー、紛争の裏話などを紹介。

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 現場が中心のため、
 毎年夏はクールビスを実行しています。
 
 汗の量が多いため、
 吸収性+速乾性を求めると、着るものが限られます。
 
 
 
■(1)今回の事例__________

  「玄関部 基礎の通気」
 _________________
 
 382

  
 
 ◆写真解説
 
 長期優良住宅の家。
 玄関かまち下、基礎間で気密が未確保。
 ここから外気が室内へ入る。

 
 ◆内容説明
 
 長期優良住宅、フラット35の普及で、
 「省エネルギー対策等級4」を適用する家が
 昨年あたりから、急激に増えています。
 
 その仕様の中で、施工間違いが多い一つ。
 玄関土間まわりの気密措置未施工。
 
 
 断熱材をしっかり入れ、部屋を暖めても
 外気が隙間から室内入り、暖かい空気が外へ逃げては
 断熱材の意味がありません。
 
 この仕様では、気流止めや、気密の施工が重要です。
 
 
 ◆対策

 構造や防火基準などをはじめ、
 法改正や新しい基準ができると
 末端まで広く認識するのに10年かかることがある。
 
 断熱の施工は特に間違いが多い。
 
 構造と違い、比較的建築素人でもチェックはしやすいため、
 基準を頭に入れて、現場を見ることをお薦めします。
 
 比較的わかりやすいサイト
 http://www.mag.co.jp/pro/manual/orange/trade-off/index.php
 
 
 
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■(2)編集後記
 
 
 これから家を建てる方へ、「工事監理者」って
 聞いたことがありますかと聞くと
 
 8割くらい「現場監督でしょ」という
 間違った答えが返ってくる。
 
 建築基準法で、建築主が工事監理者を定めなければならないとある。
 しかし、こんな法律があること自体、さらに認識されていない。
 
 
 建築士法によれば、「工事監理」とは、その者の責任において、
 工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施
 されているか、いないかを確認することをいう。
 
 現場監督は建築士の資格がなくてもよいが、
 工事監理者は、建築士の資格が必要なため、
 設計者が兼任することがほとんど。
 
 そうなると、ハウスメーカーなどでは
 自社の設計課社員と監理者が同じになる。
 
 分譲住宅などでは、設計だけ依頼された建築士が、
 建築確認申請時に名目上、記名、捺印しているケースもある。
 いわゆる「名義貸し」って行為です。
 
 
 このように、ほとんどの住宅の現場は、
 工事監理者が実質いない状態。
 
 いない事により、建築主は工事監理費用を抑えられ
 利益につながっているのも事実。
 
 ただし、欠陥住宅が減らない原因の根本がこれにある。
 
 
 現場監理者は、施工者、建材メーカーなどと
 利害関係がない人を選任することが重要です。
 
 このような監理者を選任できれば、役所や保険の検査、
 第三者検査は必要なくなるかもしれません。
 
 しかし、これがどの現場でも
 ほぼ100%できていないのが現実です。
 
 
 
 
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