えたいの知れない不吉な塊が私の心を終始圧(おさ)えつけていた
梶井基次郎の「檸檬」はこんな一文から始まるわけで
以前「私」を喜ばせたどんな美しい音楽も
どんな美しい詩の一節も辛抱がならなくなった、という
同感です
肺を病んだ「私」は得体の知れない不安に始終さいなまれ
あてもなくさまよい歩く
ふと立ち寄った京都・寺町通の果物屋で檸檬を買う
熱を帯びた手にその果実の冷たさはちょうど良く
不安が幾分か和むのに気がつく
「つまりはこの重さなんだな」なんて思ったりする
でも、丸善に立ち寄るとまた不安な気持ちになって
「私」は画集を積み上げ
その上に檸檬をそっと置く
黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けてきたような気分のまま店をあとにする(了)
基次郎さん
最近
えたいの知れない不吉な塊がわたしの胃を終始圧えつけています
それが、二日酔いによるものなのだとしたら
ブンガクもへったくれもないですね
自宅でウコンをたしなむようになったらシュウマツも近いようです
フジ商ビルの一室に黄金色に輝く爆弾を仕掛けました

