今年もイクラが始まりました‼︎
豊洲市場では〝新物 筋子〟として店頭に並んでおります。
例年8月お彼岸を過ぎると豊洲市場は秋の雰囲気をじわじわと感じ、
早い筋子は8月頃から並びます。
令和3年度の筋子状況は今のところ(9月末現在)順調。
相変わらず高値(9000円/kg over)で安定しております。
〝鮨かの〟が豊洲市場で主に仕入れているのは
北海道知床半島と根室半島のほぼ中間の野付半島産。
ラムサール条約にも登録されている
日本最大の砂嘴。
アザラシやオオワシなども生息する
北海道の大自然のもと、育まれたサケの卵。
ホタテや北寄貝などの名産地でもあります。
【鮨かの特製半熟イクラ】
余計な水分にさらさず旨味を閉じ込めたイクラ。
そして少しの火入れにより、半熟状態にし、
濃厚な味わいに仕上げる。
それはトロける味わいとまるでバターの様なコク。
ほとんどの人にとって未体験の味わいかと思います。
今回は、この半熟イクラの仕込み風景。
詳しい所は企業秘密になってしまいますが、
少し掘り下げてみたいと思います。
↑まるで宝石の様なイクラの粒‼︎
筋子からほぐした所です。
今まで、イクラの粒をバラす時の仕込み法としては、ぬるま湯の中でほぐしていく。
これが常識だったかと思いますが、
これからの仕込み方法は違います。
湯の中にイクラを入れてしまうと旨味がどんどん逃げてしまいます。
湯に入れずにそのままほぐす。
コレで充分なのです。
粒に傷をつけない様に優しく丁寧にバラしていきます。
余計な水分に当てていないイクラはこの時ネットリとしております。
↑少しの火入れ後。色は白濁します。
火入れによる熱は冷風を当て素早く取る。
半熟イクラとは、半熟玉子をイメージしていただけると分かり易いかと思います。
その後、特製のつけ汁にサッとヅケ。
味の輪郭を整えます。
つけ汁に使っている醤油は、香川県小豆島から直接取り寄せているこだわりの〝正金醤油〟
木桶仕込みの奥深い味わいです。
そこに純米酒、味醂などで柔らかく仕上げております。
イクラには季節ごとに個体差があるので、
仕込み時間(茹で時間やヅケる時間)も毎回違います。
コレは長年の経験による勘ですね。
ちょうど良い塩梅を見極め、仕上げます。
そして握り。
チャッとスダチを振り甘味にキレを与えます。
フワッと形にするため、手渡しで。