昨日は泣いてしまった。

『高齢の父がどうしてもこれじゃないとイヤだと言うもので』と、

年に何度かまとめて白いふんどしをご注文くださるお客様がいらっしゃって、

実店舗を閉めてからはお電話でも時々ご注文をいただいておりました。

 

それが昨日、息子さんから

『実は先日、父が他界しました。

 

生前は父のわがままを聞いていただきありがとうございました。』

とお電話が…

 

94歳だったそう。

 

お会いしたこともないその方のお父様。

ましてや、そのお客様にも数えるほどしかお会いしていない。

 

それなのに、

こんなに大切な報を

私にまで届けてくださるなんて…

と泣けてきました。

 

これはきっと、

ふんどしだからこその繋がりだなあと

改めて感じます。

 

私はただ店にあるも商品を売っているだけで

特別なオーダーがあったわけでもない。

多分、この商品がパンツだったら

こういうご縁はなかったんではないかと思うのです。

 

 

命とつながる大切な場所を

手作りの布で包む。

 

それを縫ってくれる人は

奥様だったり、

ご自身や他人様だったりするのですが、

下着を縫ってくれる人にまで

思いを寄せることができる

ふんどしっていいものですね。

 

『お父様のご冥福を私にもお祈りさせてください』

と言って、電話を切りました。

 

名前もお顔も知らない

94年の人生を締め括られたお父様。

 

私は静かに手を合わせ、

心の中でこんなふうに祈っていました。

 

どこまでも広がる

雲の海の向こうにむかって

白いふんどしを

大漁旗のように大きく振りながら、

 

ありがとうございました

ありがとうこざいました

 

と大きな声を上げて。

 

感謝と合掌