いつの間に咲いていたのでしょう。
今朝、
交差点の彼岸花の姿に
目を奪われました。
静かな佇まいなのに
華がある。
折れそうなほど細いのに
凛と立つ強さがある。
葉っぱなどなくても
花として堂々と咲き誇る、断捨離の極み。
時が来ればスッと現れ
気づいた時には姿を消している。
その名のとおり
この世にいながら
あの世の境地で咲いているような彼岸花。
そんな彼岸花の姿に
先日お亡くなりになった
樹木希林さんの姿が重なりました。
余計なものを一切持たず
本音だけを語り
一人の人を愛した人。
みっともなさを隠さず
飾らないお洒落をまとった女性。
「死ぬときぐらい 好きにさせてよ」
自ら患ったがんのことも
誰にも訪れる死のことも
正面から語っておられたからでしょうか。
その訃報を聞いても、どこか喪失感が違う・・・
もちろん
ご家族や親しい間柄の方々にとっては
どんなにお淋しいかと承知しながらも
希林さんの死は
あの世への繋がりを感じさせてくれる
死に様だったように受け止めています。
「生きるのも日常、死んでいくのも日常」
「死というのは悪いことではない。それは当たり前にやってくるもので、
自分が生きたいように死んでいきたい。最後は、もろとも宇宙の塵になりて。
そんな気持ちでいるんです。」
そのご自身の言葉を体現されるかのように
宇宙の塵になられました。
これから秋が巡ってくる度に
彼岸花は私に
彼女を思い出させてくれることでしょう。
遠いテレビの世界の人だったけど
人として
近いところにいるように感じる人でした。
樹木希林さん。
75年の人生、お疲れ様でした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。