ロシア語通訳としても活躍され
作家としても精力的に著書を残された
米原万里さん。
(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002362.000007006.html)
●米原万里公式サイト
⇒http://www.yoneharamari.jp/profile.html
56歳という
短い生涯でこの世を去られてから
早いもので10年以上が経ちます。
私は米原万里さんの著書に
詳しくはありませんが
「不実な美女か 貞淑な醜女か」など
ユニークなタイトルの著書が多いことには
ずっと興味がありましたし
米原万里さんの芯の通った個性や
華やかさは魅力的で
さらに、
機知に富んだ聡明さには
とても惹かれるものがありました。
そんな彼女の著書の中に
「パンツの面目
ふんどしの沽券」
という本があるのをご存じでしょうか。
これは
私がふんどし屋を始めるにあたり
手に取ったものなのですが
実に面白い‼
「パンツ」を切り口に
ソ連の社会事情や国民性のあり方などを
深く考察していくのです。
簡単にさわりだけを紹介しますと・・・
少女期をプラハで過ごした作者には
その時から40年も持ち続けていた
ある疑問がありました。
それは
学校で初めて習う裁縫が
巾着袋やエプロンではなく、
「なぜパンツだったのか?」
ということ。
「パンツ」とか「ふんどし」
という言葉をきくと、
多くの人はただ
一笑に付して終わりがちですが、
米原さんの眼差しは
些細な日常の物事でも
ステレオタイプで流すことなく
しっかり自分の目で捉えて追求していく力があって、
その姿勢には強い共感を覚えます。
そんな
作者の好奇心は
長い年月を経ながらも
先の疑問
「なぜロシアでは、
パンツ作りを最初に学ぶのか?」
の解決の糸口を見つけていくのです。
「パンツ」から
シベリアに抑留された方々の手記に遡り、
ソ連や日本の情勢、民族性までをも
解明していくストーリーは見ごたえありすぎです。
しかし近頃は
すっかりこの本のことも忘れていた私。
それがある出会いがきっかけで
久しぶりに思い出すことになりました。
それは
「ふんどし」がきっかけで知り合った
俳優「上山竜治」さんが
「井上ひさし」原作の
「夢の裂け目」の舞台に出られるということで
http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009665.html
はるばる新国立劇場へ行ったことが
きっかけでした。
(新国立劇場。今年は創立20周年記念!)
舞台は・・・
脚本も演技も生演奏も
また、小劇場という空間も
実に素晴らしくて、もう涙涙。
(楽屋前でツーショットを撮って下さる上山さんのお心遣いにときめく(o^^o))
戦争責任を追求する
東京裁判という重いテーマながらも
終始軽快な笑いが満ちていて
だからこそ泣けるというか…
普通の人の戦争責任を問うてくる迫力は
今の時代に重なるものがあり
胸に突き刺さりました。
本当に感動の嵐でした。
そこで改めて
井上 ひさしさんのことを調べていましたら、
なんと
「井上 ひさし」さんの二番目の奥様は
「井上 ユリ」さんだったのです。
実は
井上 ユリさんというのは
「米原 万里」さんの実妹なんですね。
そういう流れで私は久しぶりに
「パンツの沽券 ふんどしの面目」
を思い出すに至ったのです。
そして、
「夢の裂け目」の舞台を観ながら
この本にたどり着くなんて
きっとこんなつながり
なかなか
見つけられないのではないかしら?
と妙に誇らしくなりました。(笑)
そういうわけで
数年ぶりに読み返した
「パンツの面目 ふんどしの沽券」
何度読んでも、本当に深いです。
しかも、おもしろい
ぜひ
ご一読をお勧めいたします!
またしても今回
「ふんどし」のお導きにより
出会いを深く刻むことができました。
感無量です(^_-)
昨日の関西での震災に被害に遭われた方々へ
心よりお見舞い申し上げます。
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