第七話
来栖
俺は、ギールと言うピアスまみれの男と修行している。もちろんギールが廉の魔力を奪った事も知っているし、たぶん岬と廉はギールを恨んでいるだろう。でも、ギールにも事情があった事は俺は知っている。だから廉に話して魔法を諦めてもらおうと考えた事もある。
 でもそれはやっぱりできない。俺がもっと岬に嫌われるのが怖いから。
 でも、岬にこれ以上嘘をつくのは耐えられない。
 もう俺より廉の方が遥かに強くなってた事がわかったしもう完全に廉に勝てない。
 だから、岬のことは諦めよう。
 そして、廉と一緒に幸せになった岬の笑顔をみれるだけで十分じゃないか。
 嫌われるの覚悟で、ギールのことを話そう。
 別に嫌われてもいいじゃないか、岬が本当の笑顔を取り戻せるなら。
 


 そして放課後、来栖は岬と廉を呼び出した。
 「きょっ今日は、岬と廉に話しておかなければならない事がある」
と少しも真剣な表情で来栖が言う。
「俺は、ピアス男がどこにいるか知っている。でも、ピアス男、いやギールは悪い奴なんかじゃない。むしろいいやつだ」
「じゃあ、なぜ廉の魔法を奪ったのっ」
と岬が問うと、
「廉はこの世界でもっとも危険な能力者であることが判明した。だっだから・・・ギッギールは国の命令に従っただけでなにも悪くないんだ。廉、お前は罪のない人を殺す事なんて出来ない性格だろ?だからもう魔法は諦めてくれ。」
「・・・」
廉は何も反応せずただ立っているだけだった。
と岬が口を開いて、
「廉ってどんな能力をもっているの?それって魔法をもってないと使えないものなの?」
と来栖に尋ねると
「廉の持つ能力は完全魔法制御能力だ。この能力は相手に自分の魔力を流す事で相手を完全にコントロールする事が出来るが、その効果範囲は自分が見える範囲内とその能力を使うたびに残りの寿命が半分になるという欠点も存在するがこの能力がすごい事には変わらない。そこでギールに廉の魔力を封じる任務を任せたんだ。廉が能力に目覚める前に・・・。それにギールはものすごい賭けをしていたんだ。もし廉が能力に目覚めていたら間違いなくギールは廉に殺されていた・・・。だからもう魔法はあきらめてくれ」
そのことを来栖が言うと、みんな沈黙した。
そんなすぐに答えが出るわけがなかった。


「なるほど、今ギールは来栖の近くにいるのか。」
「おれの読み通り廉を鍛えれば何かしらのアクションを起こすと思ったぜ」
と杉原先生は聞き耳を立てながら言った。



 
 



第六話
強さ
「これで、ひとまず修行は終わったが、鍛錬は怠るなよ。」
と杉原先生が言って修行を終了した。
一ヶ月間のつらい修行はこれで幕を閉じた。


「廉君今日は学校来るかな。杉原先生から呼び出されてから、一度も学校こなくなったしなぁ。もう廉が学校こなくなって一ヶ月かぁ。」
と岬がぼやくと来栖が、
「お前廉の話しかしないな」
と岬のただのぼやきに首を突っ込んだ。
「いいじゃん別に。それになんで昔はあんなに仲良かったのに今じゃいがみあってるの?」
と岬が質問すると、
「うるさいぼけっ」
と言い岬との会話を止める。
すると
「がらがらがら」
とドアの開く音がする。
いつもならドアの音は気にならないが、今回のドアの音はやけに響いた。
そのドアの音をやけに響かせたのは、そう廉であった。
「廉っ」
と岬がいち早く気づき廉に近寄ろうとすると、
来栖が溜まりに溜まった鬱憤を晴らすようにして、廉に襲い掛かろうとするが、簡単に廉に避けられる。
「お前そんなに鈍かったけ」
と廉が挑発すると、来栖は、一瞬にして廉の後ろに回って頬を狙ってパンチを繰り出すが、それを廉はあっさり避けて左足を軸にして回り来栖の後ろに回り込み、来栖の頚動脈をチョップすると来栖が気を失った。
すると岬が心配そうにこちらを見ているので、
「心配はないただ気を失っているだけだ」
と廉が言うと、岬も安堵の表情を見せて落ち着いた。


「俺はっ」
といって魔法学園の保健室で来栖が目を覚ます。
するとそのとなりには、ピアス男が立っていた。
「アイツをこれ以上強くさせるな。」
と一言だけ来栖に言ってピアス男はその場を立ち去った。




第五話
修行
「まず最初に廉には、基礎体術を身に付けてもらう。最低でも、来栖以上の体術は必要だ。アイツの体術なら下位のシルエットなら互角以上に戦える。だが、あくまで下位のシルエットの話だ。上位のシルエット相手ではおそらく魔法使いでは勝てない。シルエットの性質上な。」
「じゃあ、もしそのピアス男が上位のシルエットだとしたら・・・」
「もう魔法は諦めて、体術と気に攻撃を絞るしかないな。でもそれで十分誰かを守れるくらいにはなるから心配はいらんさ。」
と廉をなだめる。
「っと無駄話はこれぐらいにして、基礎体術の説明をする。」
「基礎体術は、主に俺との組み手だ。俺に一発でも当てたら、基礎体術と平行して気の修行も行う。それまでは、俺が相手だ」
と言って杉原先生がファイティングポーズをとる。
そして廉も拳をかまえ杉原先生に殴りかかるが一向に当たらなず、先生に紙一重でかわされれ、ついに先生のパンチを腹に食らった。
「ごふっ」
「その程度でよく誰かを守れるなんて思えたな。」
と、杉原先生は廉を挑発した。
そして、杉原先生が続けて言った。
「お前に少しヒントをやろう。相手の動きに合わせる様にして、自分のペースに持ち込め。お前の得意分野だろ。」
廉はそう言われたので、精神を集中させてもう一度拳を構えた。
そして今度は、杉原先生の方から攻撃を仕掛けるが、今度は、立場が逆転して、廉が杉原先生のパンチを紙一重でかわし、先生の腹を狙ってパンチを繰り出した。
「くっ。危ない危ない。」
杉原先生におしくも手でパンチを受け止められた。
「なっ。」
廉は少し驚くがまた態勢を整えた。
『やはり、相手の流れや動きを読むのは得意なようだな。廉の元々もっている能力を考えると当たり前ではあるがな。』
と杉原先生は思いながら、杉原先生も態勢を整える。
「杉原先生、手加減しないで俺に向かってください。これじゃ後一回組み手すれば先生に一発入れれますよ。」
と廉が言うと
「へぇーそうですか。仕方ないですね。」
と言い先生は、一瞬にして廉の後ろに回り込み廉を殴ろうとするが廉が紙一重でかわした。
『これが杉原先生の本気か。まるでさっきとは別人のようなパンチ力だ。』
と言いながらも、なんとか杉原先生のパンチをかわしていく。そして、廉が先生の呼吸に合わせてまた腹にパンチをしようとするが、簡単に受け止められ、逆に先生にカウンタをもらうかたちになった。
「ぐふぁ」
『あまり調子に乗りすぎたな廉。今のお前じゃ俺がいくら手加減しても一発当てるのは無理だ。それに俺がお前に手加減してたのは、お前を殺さないための配慮だ。もうこれ以上無謀な事を言うと、本当に死ぬよ。」
と杉原先生は廉に忠告する。



そのころ、来栖はピアス男と一緒に修行をしていた。