エイプリルフール?ウソも方便か? | かんのひろたかofficial blog

エイプリルフール?ウソも方便か?

今日4月1日はエイプリルフールとされます。
この日はウソをついても良いという風習なのですが、いつ頃からどのようにして始まったのか、起源などはよく分からないとされています。
それで、様々なメディアなどでは、この日に合わせて「ウソのニュース」を報じ、それを楽しむという一面があります。

ところで、仏教の教えを元にしたことわざで「ウソも方便」というものがあります。
「方便」は仏教用語であり、人びとを真実の教えに導くために、仏が用いる仮の手段のことを指します。そして、このことわざは江戸時代から使われたとされますが、語源になったのは、大乗仏教の『妙法蓮華経』「譬喩品」だとされます。
『妙法蓮華経』は「法華七喩」という7つの巧みな譬え話が含まれていますが、特に「譬喩品」の「三車火宅」は、以下のような教えです。

「ある時に、長者の邸宅が火事になりました。
しかし、夢中になって遊んでいた子供たちは、火事に気づかずに、長者が説得しても外に出ようとしませんでした。
そこで、長者は一計を案じて、子供たちが以前から欲しがっていた「羊の車・鹿の車・牛の車の三車が門の外にあるぞ」といって、子供たちを外に出しました。
しかし、この時、三つの車はなく、長者は更に大きな「大白牛車」を与えたのでした。」

このお話しは解釈が難しく、議論が多いところですが、ここで見ていきたいのは、長者がウソをついて子供たちを外に誘い出したことです。長者がウソをついてでも誘い出さなければ、子供たちは死んでしまったわけですので、正しい目的を遂げるために、時にはウソをつくことも必要だということを、「ウソも方便」というのです。
世間では悪いことのためにつくウソについても、「ウソも方便」だとする場合もありますが、方便とは「仏による導き」を意味する言葉ですから、悪いウソを正当化するためにこのことわざを使うのは、誤った用い方なのです。

さて、エイプリルフールのジョークニュースはともかくとしても、昨今世界中で、「フェイクニュース」が問題となっています。
悪意のこもった偽のニュースが、インターネットなどを通じて世界中に拡散することです。

ウソや噂など、そういう偽の情報に我々は踊らされがちですが、いつ何時であっても、自分が直接見聞したことを基本に、しっかりと情報の真偽を判断出来るリテラシーを持っていたいものです。

流山市議会議員かんのひろたか