に成りました。

また、新しい環境で大変だけど、がんばるぞー!

診断的にはペインクリニックと近いけど、ちょっと異なる観点なので面白い。

あと、手術もバリバリさせてもらえるので、超忙しくて毎日夜遅くまで帰れないけど、楽しい~!


整形外科医に転職。

ああー!期待と不安でいっぱいだ~!年収も下がるけど、自分の信じた道を行くしかない!


という訳で、麻酔科は今日の当直にて終了。

色々忘れてはいけない十字架がいくつかあるので、書いておこう。


ひとつ目は

休日の予定急患(急ぐ必要は無いけど、平日は手術枠に余裕がが無いので、休日に急患扱いで外科医が依頼する手術の事で、本来の救急医療を麻痺させる行為。)で入ってきた、ストマ落とし(一時的に人工肛門を作っていたが、必要なくなったので、腸を繋いでお腹の中に戻す手術。全然緊急性なし。)の症例で、術前訪問に行った際に、患者さん(お婆さん)が怖がっていたので、「大丈夫だよ。」と元気づけた。

手術開始し、まあまあ問題なく進行していたが、平日では手術させてもらえない、後期研修1年目が執刀だったので時間がかかっていた。

そうこうしている間に、AAAラプチャー(腹部大動脈瘤破裂。一刻も待てない、超緊急!)と、LMT狭窄のAMI(心筋梗塞、狭窄している場所のせいで、カテーテル治療ではなく、手術適応。緊急手術!)が立て続けに入ってきた…。

当然、ストマ落しの症例は麻酔科的に手薄になっていた。主治医には、手術終わった後も緊急症例が落ち着くまで、麻酔かかったままで待機してくれとお願いしたら、術後の状態は診るので、醒まして欲しいとの要望。

他の症例が少し落ち着いた合間に抜管(醒まして、呼吸の管を抜く事)。

ICUは2件の大物緊急が入るので、そのまま外科病棟へ帰棟。


そのあとも二件の緊急症例をみんなで何とかこなし、気づいたら夜中…。明日も仕事があるので、就寝。


…翌日、通常業務をしていたら、外科医達が何やら喋っている「なんか、病棟で夜中に出血死してたらしいよ」

ん?出血死?入院してるのに、気づかれなかったのか、可哀相だな。っと思ってたら、昨日のお婆さん!!?

なんでだ!? 調べたら、きちんと止血できてなかったらしく、さらに徐々に血圧下がってたのに、カテコラミンだけどんどん上げて、原因をしらべなかったらしい…。………術後は診るって言ってたのは誰だ!

結局早く帰りたかっただけだったんじゃないの?


こんなの、気づいて輸血して、場合によっては再開腹して止血すれば助かった。

もし、ICUに入って俺達が診てたら…、夜中一回でも見に行ってあげてれば…、結果は違ったかもしれない。

「大丈夫だよ」って言ったのに、助けられなかった…。


一生抜けない心の十字架。


長くなっちゃたので、もう一つは今度。

麻酔科を退職し、整形外科医になります!

あ、元々その予定だったので円満退社ですよ~!


よくローテーター(初期研修医)に「なんで遠回りして麻酔科に入ったんですか?」と聞かれるんですが、将来開業を考えているので、きちんとした全身管理とペインクリニックを習得したかったからなのです。

もちろん、葛藤はなかったかと言えば、嘘になります。

だって、ようやく収入も地位(学年)も安定してきたのに、またリセットして1年生に戻るんだもの・・・。

でも、初期研修時代に色々な科を回るたび、どの科もまともな蘇生や管理ができていないのを見る見せつけられ、遠回りを決意したんです。

能力の有無に関わらず、ある程度訓練されないとダメなものがあるんですね~。


麻酔は面白いので、そのまま麻酔に残ることも考えましたが、麻酔はセンスと特にとっさの機転が求められるので、歳をとると続けられなくなる。と言う事も転科を後押ししてくれました。

反射神経は経験値である程度カバーできるのかもしれませんが、うちの教授達を見るとちょってキツイみたいです・・・。(昔はもの凄くできる人だったそうなんですが・・・。)


もちろん、どの科の医者も歳を取れば反射神経は鈍るでしょうが、麻酔ほど一瞬の判断ミスが死に至る可能性がある科は他に思い当たりません。循環器外科も大変でしょうが、結局命を守っている最後の砦は麻酔医です。


正直言うと、この最後の砦のプレッシャーから開放されたいんでしょうね~、俺。

まあ、開業したら砦再開ですが・・・。