ALPS処理汚染水海洋放出/何が問題でどうすれば良いのか | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

「原発なくそう ミツバチの会」の活動報告や事務局ノブクンの日々のつぶやきを発信しています。

以下、国際環境NGO FoE Japan より 

 

ALPS処理汚染水。東電が、薄めた上で、廃炉にかかる30年から40年の期間を活用して放出するという案を発表したとのことです。

NHK福島が報じました。
4月6日には、福島市で意見聴取会が開かれるとのこと(詳細未定)
しかし、漁業者は、繰り返し反対の意思を示しています。この声は無視されてしまうのでしょか?
また、十分現実的な、大型タンクによる陸上保管やモルタル固化による処分案は、ほとんど検討されていません。
ALPS処理汚染水に関するよくある質問と回答をまとめました。ぜひお読みください。

 

東電福島第一原発で増え続ける、放射能を含んだ「処理水」
Q&A

2020年3月24日

最近テレビや新聞で報道されている、福島第一原発で増え続ける「処理水」の問題。

敷地が満杯となり、政府の委員会が、海洋放出の利点を強調した報告書を出しましたが、本当のところどうなのでしょうか? よくある質問に対する回答をまとめました。

 


汚染水発生のメカニズムとALPS処理汚染水 (出典:多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書)

Q:そもそも「処理水」って何?

A:福島第一原発のサイトでは、燃料デブリの冷却水と原子炉建屋およびタービン建屋内に流入した地下水が混ざり合うことで発生した汚染水を多核種除去装置(ALPS)で処理し、タンクに貯蔵しています(図)。これがいわゆる「処理水」です。タンクはすでに960基で、貯蔵されている処理水は110万m3以上となりました。

正確に言えば、「ALPSで処理されたが、放射性物質を含む水」というところでしょうが、長いので、ここでは「処理水」に統一します。

 

Q:「処理水」には何が含まれているの?

A:東京電力の試算では、約860兆ベクレルのトリチウムが含まれています。2010年、福島第一原発からは2.2兆ベクレルのトリチウムが海に放出されていたので、その約390倍の量となります。

ALPSではトリチウム以外の放射性物質を取り除くことができるとされていました。このため、東京電力や経済産業省は、「トリチウム水」と呼んでいました。しかし、2018年8月の共同通信などメディアのスクープにより、ヨウ素129、ルテニウム106、ストロンチウム90などそれ以外の核種も基準を超えて残存することが明らかになりました。その後の東電の発表により、現在タンクにためられている水の約7割で、トリチウム以外の62の放射性核種の濃度が全体として排出基準を上回っており、最大で2万倍となっています(図)。東電は海洋放出する場合は二次処理を行い、これらの放射性核種も基準値以下にするとしています。

 

Q:トリチウムって何?

A:水素の同位体である「三重水素」で、陽子1個と中性子2個から構成されます。半減期12.32年の放射性物質で、ベータ崩壊をし、ヘリウムに変わります。

放出するエネルギーは小さく、最大で18.6keVで、セシウム 137 の最大値512keVの30分の1程度です。トリチウムは自然界にも水の形で少量存在しますが、核実験や原発施設からの放出によって増加しています。

 

Q:トリチウムは安全?

A:トリチウムの影響については専門家でも意見が分かれています。政府は、「水と同じ性質を持つため、人や生物への濃縮は確認されていない」としています。

しかし、トリチウムが有機化合物を構成する水素と置き換わり、食物連鎖の中で濃縮が生じうること、トリチウムが人体を構成する物質の水素と置き換わったときには体内半減期が長くなり、近くの細胞に影響を与えること、さらに、DNAを構成する水素と置き換わった場合には被ばくの影響が強くなること、トリチウムがヘリウムに壊変したときにDNAが破損する影響などが指摘されています。

 

Q:海洋放出しか現実的な手段はないのでは?

A:政府は2022年夏頃に原発敷地内でタンクが設置できる空き地がなくなるとしています。

しかし、海洋放出が唯一の選択肢というわけではありません。プラント技術者も多く参加する民間のシンクタンク「原子力市民委員会」の技術部会は、「大型タンク貯留案」、「モルタル固化処分案」を提案しています。

 

Q:大型タンクに保管するというのは、どういうメリットがあるの?

A:大型タンク貯留案は、ドーム型屋根、水封ベント付きの約10万m3の大型タンクを建設する案です。建設場所としては、7・8号機予定地、土捨場、敷地後背地等から、地元の了解を得て選択することを提案しています(図)。800m×800mの敷地に20基のタンクを建設し、既存タンク敷地も順次大型に置き換えることで、新たに発生する処理水(日量150m3)約48年分の貯留が可能になります。大型タンクは、石油備蓄などに使われており、多くの実績をもっており、現在のタンクよりも堅牢です。

東電福島第一原発の構内図

 

Q:「モルタル固化処分案」とはどのようなもの?


アメリカのサバンナリバー核施設で、モルタル固化処分された汚染水
出典:Savannah River Remediation LLC (SRR)

A:「モルタル固化案」は、アメリカのサバンナリバー核施設の汚染水処分でも用いられた手法で、巨大なコンクリート容器の中に処理水をセメントと砂でモルタル固化し、半地下の状態で処分するというものです(写真)。利点としては、放射性物質の海洋流出リスクを半永久的に遮断できることです。更に、固化された処理水は同様に減衰していくので将来のコンクリートやモルタルの劣化に対しても十分に安全です。ただし、セメントや砂を混ぜるため、容積効率は約4分の1となります。それでも800m×800mの敷地があれば、約18年分の処理水をモルタル化して保管できます。経産省タスクフォースのオプションの中にも「固化・地下埋設案」として採り上げられていましたが、いつの間にか検討対象から外れ、最も安価な海洋放出案一本に絞られているのが現状です。

 

Q:敷地は本当に足りないの?

A:敷地の北側には、現在土捨て場になっているエリアがあり、この土に含まれている放射性物質について、東電は「数Bq/kg~数千Bq/kg」と説明しています。

経済産業省のもとに設置された「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」でも敷地が本当に足りないかどうか議論になりました。委員からは、「敷地が足りないのであれば、福島第一原発の敷地を拡張すればよいのではないか」「土捨場となっている敷地の北側に、現在と同程度のタンク群を設置できるのではないか」「土捨て場の土を、中間貯蔵施設に運び出すことができるのではないか」などといった意見がだされましたが、政府はいずれも「地元の理解を得るのが困難」としています。


福島県新地町の釣師浜漁港にて

 

 

Q:漁業者は何と言っているの?

A:福島県漁連の野崎哲会長をはじめ、地元漁業者は繰り返し反対の意思表示をしています。

「復興に向けて、せっかくここまできたのに、万が一のことがあったら漁業は壊滅的となります」。小名浜機船底曳網漁業協同組合理事の柳内孝之さんはこう述べています。「海洋放出は長期的に禍根を残すでしょう。先が見えず設備投資をすることもできません」。

 

茨城沿海地区漁業協同組合連合会も2020年2月、処理水を海に放出しないように求め、県知事に対して要請を行いました。これを受けて、茨城県の大井川和彦知事は、海洋放出が現実的という審議会の結論に対して「白紙の段階で検討し直してほしい」と述べています。

 

Q:もう一度、冷却水に使えないの?

A:建屋で発生している汚染水の一部は、塩分とセシウム、ストロンチウムを取り除いた水を再度、冷却水として使っています。 水の収支バランスを考えれば、建屋には地下水が流れ込んでいるので、その分の水量は取り出し、処理水としてタンクにためることになります。

 

Q:福島県の世論は?

A:朝日新聞と福島放送が、2020年2月に福島県の有権者を対象に共同で行った世論調査によれば、「処理水」を薄めて海に流すことに対して65%が「反対」としています(「賛成」は19%)。

 

Q:トリチウムの規制はないの?

A:トリチウムは、排出濃度の基準として6万ベクレル/リットルが設けられています。

年間の排出目標値は原子力施設ごとに定められており、原発事故前の福島第一原発の場合、年間22兆ベクレルです。原発事故後、この目標値は使われていませんが、仮にこの目標値を守るとすると、860兆ベクレルのトリチウムを放出するためには数十年かかることになります。

サブドレン、地下水バイパスからの水を放出する際、東京電力は、敷地周辺の被ばく線量の法的限度(1ミリシーベルト/年)から、トリチウムの放出限度を1500ベクレル/リットルとしています。


※参照資料

経済産業省「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」報告書・資料

原子力市民委員会「ALPS 処理水取扱いへの見解」2019年10月3日

2020年1月22日 「学習会:ALPS処理汚染水のこれから ー置き去りにされた陸上保管案」資料

 

※このQ&Aの取りまとめにあたっては、以下のみなさんのご協力をいただきました。御礼申し上げます。
大沼淳一さん(原子力市民委員会、元愛知県環境調査センター主任研究員)
川井康郎さん(原子力市民委員会、元プラント技術者)
伴英幸さん(原子力資料情報室)
水藤周三さん(高木仁三郎市民科学基金)

 

作成・問い合わせ先:
国際環境NGO FoE Japan
info@foejapan.org

 

 

東京五輪の延期に伴い中止になったけど26日に予定されていた聖火リレー・スタート地点であるJ ヴィレッジの除染をしていなかった事を23日に公表した東電に、汚染水の海洋放出を認めるなんて信じられないと言うのが大方の国民の気持ちだろう。

総理同様の隠蔽体質企業を信用なんて出来ない。Covid-19の感染者数が把握出来ぬまま、振り回される現状の様に後になって『実はトリチウムだけじゃなかった...。』って言い出しかねず、日本のみならず、世界中に再び多大な迷惑を掛ける事になると思う。

利益は享受して、汚染処理だけ他者に押し付ける事なんか許されない。

 

その新型コロナウィルス「Covid-19」の現状について総括的に学べると思われる記事は下記。

 

コロナパンデミックにおける日米韓の対応能力比較

 

「ダイアモンドプリンセス号で内情を隠匿し、しかも集団感染を引き起こしたことで、日本政府がコロナウイルスに対して全く無対策かつそれを隠匿するために情報操作している状況を国内外に知らしめてしまった。

 

また、コロナウイルスが広がった際の安倍首相の会見でも、準備していた原稿を読み上げるだけで記者の質問もまともに受け付けなかった。政府広報としか言いようがなく、さらに国内外の不信感をあおった。

 

だが、筆者は安倍政権がオリンピックのために感染者数を隠そうとしている、あるいはそのために検査数を低く抑えているとは考えていない。

 

もっと単純に、大量検査をする能力も無く、感染者を病院に収容する能力も無く、無症状者や軽症者は自宅隔離・自宅療養で対応するという柔軟性も無い、というのが実態だろう。日本で自宅隔離・自宅療養を導入したらただの自宅放置になりかねない。こういう実態を隠そうとして失敗しているのだから二重に愚かしい。」

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyayukiko/20200319-00168178/?fbclid=IwAR3mo3Y3BJh3UnnXW4hU_083IUvYN0KL8bdey-0_AXjkAwW0HCUrtlHGpGI