「総理のご意向」文書 前文科次官が語った
幹部が共有。確実に存在 薄弱な根拠で規制緩和
前川氏の記者会見(要旨)
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部を新設する計画をめぐり「総理のご意向」などと書かれた文書を「本物です」と証言した文部科学省前事務次官の前川喜平氏(62)が25日、東京都内で行った記者会見の要旨を紹介します。
愛媛県今治市における国家戦略特区において獣医学部の新設を規制改革のもとで認めるべきかどうかが、昨年来、行政上の課題になっていた。文科省の事務方の責任者として、その経緯に関わった。行政のあり方において、当事者の立場で疑問を感じながら、国会で、その経緯を示す文書が議論され、野党からその存在について政府に問いただされ、その8枚の文書が本物かどうか、存在するかどうかについて文科省で調査が行われたと聞く。その結果、確認できなかったという結論になったと聞き、大変残念な思いをしている。
実際に在職中に共有していた文書だから確実に存在していた。あったものをなかったことにはできないということを申し上げたい。
8種類の文書については、私が昨年の9月から10月にかけて、文科省の高等教育局専門教育課から、私が事務次官の立場で、事務次官室において報告と相談を受けた際に受け取った文書に間違いない。文書によって、その範囲は多少違うが、幹部の間で共有された文書であることは間違いない。したがって、文科省で改めて調査すれば、それは存在が明らかになるはずのもの。
「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」というペーパーがあるが、私の手元にあるスケジュールによると、9月28日に私が専門教育課から説明を受けた際に受け取ったものと同じものだ。
さらに「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」という文書がある。この回答は、いわば内閣府からの最後通告に近いもので、“与党での議論はいらない”ということが書いてあるし、30年4月開学は決まったことだと。そこには「総理のご意向」という言葉もでてくるが「30年4月で決まったことだ、大前提である」と言われている。いずれも真正なもの、本物であると申し上げることができる。
閣議決定で、獣医学部の新設を認めることを検討するにあたって新たな分野の需要など四つの条件を示した。
追加規制改革で認めるのであれば、この四つの条件に合致していることが証明されなければならない。私は四つの条件に合致していることが実質的な根拠をもって説明されているとは思えない。文科省としては大学設置認可の権限を法律上持っているが、きちんと国民に説明できる形で行使しなければいけない。
いったん設置が認可された大学は、国民から預かった税金から私学助成もしなければならない。したがって大学の認可はきちんと根拠をもって行わなければならない。
医師、獣医師など特定分野においては、将来の需要がみこめない、原則的に禁止、新設しないという考えに立っている。獣医師の将来需要について、農水省に、きちんと見通しをたててもらわないといけない。文科省としては将来の人材需要についてきちんと見通してくれなければ、責任がもてないといい続けてきた。ところが農水省、厚労省も明確な見通しを示してくれなかった。その中で規制改革が行われた。獣医学部の新設について特例を認めるという結論が出てしまった。
非常に行政のあり方として問題だ。きわめて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた。また公正公平であるべき行政のあり方がゆがめられたと認識している。
これ以上、行政のあり方をゆがめることがないようにしてほしい。
「加計」は共通認識だ
証人喚問まいります
記者との一問一答
――大前提として、この問題は“加計学園ありき”“今治ありき”の計画か。
前川 関係者の間の暗黙の共通理解としてあったのはたしかだと思う。口に出して、加計学園という言葉を使ったかどうかというと、そこは使っていない場合が多いと思う。しかし、内閣府においても文部科学省において、この国家戦略特区で議論している対象は、今治市で設置しようとしている加計学園の獣医学部だという共通認識のもとで仕事をしていたという認識でいた。
――国会では日本共産党の小池晃参院議員が告発した文書がある。承知しているか。
前川 確たることは申し上げられないが、私が担当課から受け取ったものと同一のものと思われる。
――証人喚問に求められたら出るか。
前川 証人喚問があればまいります。
――文科省で文書の再調査をする際、どのように探せばよいか。
前川 どういう調査するか、具体的に申し上げられないが、これは見つけるつもりがあればすぐ見つかるもの。なにか複雑な手法を用いる必要はない。
「しんぶん赤旗」より転載
この前川氏を「エロオヤジ」扱いして、何とか影響を削ぎたい官邸は、お仲間のマスコミを大動員。
「読売」「産経」は目の色変えて前川攻撃を強め、NHKなどは菅の会見を垂れ流し。
こうした勇気ある告発を真摯に受け止める気はさらさらない。
しかし前川と佐川、同じ川の官僚でも随分違うなぁ。
佐川財務局長も前川氏の爪の垢でも煎じて飲んだらどうなのか。
平然と安倍擁護の論陣を張って、次は財務事務次官が約束されているのかな。
その「読売」の醜さを暴露している記事は以下。
読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証
読売新聞会社案内サイト「読売新聞へようこそ」より
安倍首相主導の不当な働きかけが疑われる加計学園問題。例の「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと記載された文科省の内部文書を巡り、昨日夕方、前事務次官の前川喜平氏が記者会見を開いた。
「これらの文書については、私が実際に在職中に共有していた文書でございますから、確実に存在していた。見つけるつもりがあれば、すぐ見つかると思う。複雑な調査方法を用いる必要はない」
「極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた。また、そのことによって公正公平であるべき行政のあり方が歪められたと私は認識しています」
「証人喚問があれば参ります」
各マスコミは一斉に“前川証言”を報じ始めた。昨夜はほとんどのテレビ局がこの記者会見を大きく取り上げたし、今日の新聞朝刊も多くの社が1面トップ、もしくはそれに準ずる扱いで、〈文科前次官「総理のご意向文書は確実に存在」「証人喚問応じる」〉と打った。
こうなってみると、改めてそのみっともなさが浮き彫りになったのが、“伝説級の謀略記事”をやらかした読売新聞だろう。周知のように、読売新聞はこの前川氏の実名証言を止めようとした官邸のリークに丸乗りし、22日朝刊で〈前川前次官出会い系バー通い〉と打っていた。大手全国紙が刑事事件にもなっていない、現役でもない官僚のただの風俗通いを社会面でデカデカと記事にするなんていうのは前代未聞。報道関係者の間でも「いくら政権べったりといっても、こんな記事を出して読売は恥ずかしくないのか」と大きな話題になっていた。
しかも、この読売の官邸丸乗りは当初、本サイトだけが追及していたが、そのあと「週刊新潮」(新潮社)もこの事実を暴露した。こんな感じだ。
〈安倍官邸は警察当局などに前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させ、彼に報復するとともに口封じに動いたという。事実、前川前次官を貶めようと、取材を進めるメディアがあった。
「あなたが来る2日前から、読売新聞の2人組がここに来ていた。(略)」〉
さらに昨日のテレビでも、『羽鳥慎一モーニングショー』『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)などが「週刊新潮」の記事を引用しつつ、読売の記事が「官邸の証言潰しのイメージ操作」であることを指摘した。地上波のテレビ番組で、全国紙の記事が官邸の謀略だと指摘されるのは、おそらくはじめてではないだろうか。
赤っ恥、読売は前川会見をどう報じたのか?
ちりばめられた官邸擁護
官邸に“いい子いい子”をしてもらおうとしっぽをふりすぎて、満天下に恥をさらしてしまった読売新聞。いったいどのツラ下げてこの会見を報じるのか。今朝の同紙朝刊を読んでみたら、まったく反省なし。記事にはしていたものの、あいかわらず、官邸側に立っているのがミエミエだったのだ。
まず、一面の見出しからして〈総理の意向文書「存在」文科前次官加計学園巡り〉のあとに〈政府は否定〉と付け加える気の使いよう。3面では〈政府「法的な問題なし」〉としたうえ、〈文科省「忖度の余地なし」〉の見出しをつけ、官邸の圧力を否定にかかったのである。
もっとも、その根拠というのは、学部新設の認可審査は〈議事録も非公表で、不正が入り込む余地は少ない〉などと、なんの反論にもなってないもの。この間、前川前次官が証言した加計文書だけでなく、森友学園問題などでも、圧力を物語る証拠がどんどん出てきていることを無視しているのである。
さらに、社会面では、自分たちが報じたことを一行も触れず、会見の中身を使うかたちで、例の「出会い系バー」通いに言及した。
悪あがきとしか言いようがないが、こうした態度は読売だけではない。読売系のテレビ番組も“前川証言”には消極的で、露骨なまでに安倍政権の顔色をうかがう姿勢を示していた。
それは昨日から始まっていた。他局は「週刊文春」の前川氏独占インタビューを受け、一斉にこの問題を報道。インタビュー済みだったTBSもこの時点で前川氏のインタビュー映像を放送していた。
ところが、日本テレビは、午前の情報番組『ZIP!』『スッキリ!!』では加計学園の話題を一切無視、かろうじて『NNNストレイトニュース』が国会での民進党と松野一博文科相のやりとりをベタで触れたのみ。
午後になっても、やはりストレイトニュースのコーナーで『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)が国会質疑を受けてアリバイ的にやっただけで、夕方の『news every.』でようやく他局も中継した前川氏の会見の模様を報じるという体たらく。夜の『NEWS ZERO』も、テレビ朝日の『報道ステーション』やTBSの『NEWS23』よりも明らかに見劣りする内容で、政治部の富田徹記者が前川氏が会見を開いた理由について「安倍政権への怒りこそが大きな理由と見られます」と解説するなど“私怨”を強調すらした。
もはや、読売はグループをあげて“安倍政権の広報機関”と化していると断言してもいいだろう。いったいいつのまに、こんなことになってしまったのか。
会食を繰り返す渡邉恒雄主筆と安倍首相、蜜月はピークに達す
「自民党総裁としての(改憲の)考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてありますから、是非それを熟読してもらってもいい」
2020年の新憲法施行を宣言した安倍首相が、今国会でこんなトンデモ発言をしたのは記憶に新しい。周知の通り、憲法記念日の5月3日、読売新聞はトップで安倍首相の単独インタビューを公開。まさに安倍首相の“代弁者”として振る舞った。
しかも、インタビューを収録した4月26日の2日前には、読売グループのドン・渡邉恒雄主筆が、安倍首相と都内の高級日本料理店で会食しており、そこで二人は改憲について詳細に相談したとみられている。つい最近も、今月15日に催された中曽根康弘元首相の白寿を祝う会合で顔を合わせ、肩を寄せあうように仲良く談話している姿を「フライデー」(講談社)が撮影。
このように、第二次安倍政権発足以降、安倍首相と渡邉氏の相思相愛ぶりはすさまじい。実際、安倍首相と渡邉氏の会食回数は傑出している。数年前から渡邉氏が読売本社にマスコミ幹部を招いて“安倍首相を囲む会”を開催しだしたことは有名だが、さらに昨年11月16日には、渡邉氏が見守るなか、安倍首相が読売本社で講演まで行っているのだ。
こうした安倍首相の“ナベツネ詣で”は、重要な節目の前後にあり、重要法案などについてわざわざお伺いを立てていると言われる。事実、2013年には特定秘密保護法案を強行採決した12月6日前後にあたる同月2日と19日、14年には7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定に向けて動いていた6月13日、15年は安保法案を国会に提出した4日後の5月18日、昨年ではロシア訪問の前日である9月1日などがこれにあたる。
そして今年の“2020年新憲法施行宣言”の読売単独インタビューと、国会での安倍首相の「読売新聞を読め」発言に続く、前川証言ツブシのための「出会い系バー通い」報道の謀略……。もはや、そのベッタリぶりは報道機関の体さえなしていないが、これは単に安倍首相と渡邉氏の蜜月ぶりだけが問題ではない。現在、読売新聞では四半世紀にわたりトップに君臨する渡邉氏を“忖度”するあまり、政治部は当然として社会部や世論調査までもが、安倍政権の後方支援一色となっているのだ。
(以下略)
「リテラ」より転載
昔の「読売」大阪社会部などは他社の追随を許さない取材力で事件の真相に切り込んでいたけど、今や幻。
「読売」「産経」などの与太新聞をお金を出して読む位なら、官邸のホームページをタダで見た方が良いと思う。
しかし「読売」は凋落しているとはいえ世界最大の発行部数を誇っている新聞なんだよね。都会ではお土産付きで勧誘しているし、ホテルなどでは無料の「読売」が置かれているところも多い。
またネットネタでは「産経」の与太記事が大手を振るってる。
権力への批判精神ゼロ、応援団を買って出ているマスコミが大きな顔している国って、ろくな国じゃないね。
中野 晃一上智大学教授は次のように述べている。
·政策決定過程や政官関係、官僚制を研究してきた政治学者として、官僚の忖度なんて生やさしいことで森友や加計のような大きいな決定はできませんよ、とかねてから指摘してきました。
ですが、政治家や昭恵夫人に口利きを依頼していた籠池氏の視点からでは、結局、官庁内部の意思決定プロセスは直接知ることのないブラックボックスに過ぎず、籠池証言に依存する限界として、官僚の忖度があったのではないか、というあいまいな話が一人歩きする結果となっていました。
その意味でも、今回、官庁のトップにあって官庁内部の意思決定プロセスの全容を直接知る前川前事務次官の証言が出てきたことは大きいです。彼が明らかにしてるのは、官僚の忖度なんて、官僚たちが自らご機嫌とりに動いたようなことではなく、首相の意向がストレートに内閣府を動かし、文科省の抵抗を押し切って、行政の公平性や法の支配といった大原則を破壊してきた、ということです。
責任の所在は明らかで、それは安倍首相本人です。だからこそ、菅官房長官が読売やNHKを使い倒して、なりふり構わず前川氏に対して人格攻撃を行なっているわけですが、そんななか、前川氏が危険を承知で証言をしているのは、職業倫理はもちろんですが、民主主義や法の支配の基盤をなす、市民や報道機関、立憲野党の気概に賭ける気持ちからだと思います。
これもまた、安保法制の時に憲法審査会で「違憲発言」をした長谷部恭男さんら穏健保守の学者たちが見せた行動と重なります。あの時は、専門知識人の示した気概と一般市民の気概とが共鳴して大きな運動を引き起こしました。今回、高級官僚という専門職業人が見せた気概に、市民は呼応して、今度こそ、公権力の私物化にひた走る安倍政権を倒すことができるでしょうか。
日本の立憲デモクラシー、いよいよ正念場です。
「朝日新聞」デジタルより転載
先日タヌキではないかと思われる動物に踏みつぶされたジャガイモ畑、今度は明らかにイノシシに襲われて徹底的に掘り返された。
我が家は生ゴミ堆肥を畑に埋めているのだが、その部分を掘り返して荒らしまくった。計5カ所。
もうとっくに土に還元してしまっていたけれど、臭いとかが残っていたのだろうか。
ナス畑も下に生ゴミ堆肥を以前埋めていたので掘り返されたりして、憤懣やるかたない。
今度会ったら猪鍋にしてやる!!