緊急事態が常態化…ダッカ、ニース、トルコの次は/権力者に都合が良い危機的状況の激化 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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一気にキナ臭くなってきた。テロとクーデターに世界が揺れている。

日本人7人を含む22人が犠牲になったバングラデシュの首都ダッカで起きたテロ事件(7月1日)の記憶がまだ消えない7月14日、フランスのニースでトラックを使ったテロによって84人が亡くなった事件は衝撃だった。

さらに、7月15日、今度はトルコで軍事クーデターが勃発。失敗に終わり反乱軍は鎮圧されたが、290人以上が死亡している。もし、クーデターが成功していたら中東は混乱に陥っていただろう。アメリカでは、白人警官を狙った黒人による殺害事件が再び起きてしまった。

なんとも血なまぐさい。まるで世界は「憎悪と分裂」の時代に突入してしまったかのようだ。「この流れは止まらないでしょう」と、元外交官の天木直人氏はこう言う。

 

「東西冷戦が終わった時、世界は安定し、平和になると期待されましたが、東西のタガが外れ、逆に世界は不安定になってしまった。テロが頻発している大きな原因は貧困でしょう。新自由主義とグローバル経済によって、世界中に貧困が広がっている。人々をテロに走らせているのは、不正義に対する怒りだと思う。アメリカの空爆によって理不尽に家族を殺された怒りであり、宗教や民族によって差別され、貧困から抜け出せない憤りです。

強い者に対してなす術のない弱者が、テロに訴えている。アメリカの黒人が白人警官を殺害したのも不正義に対する怒りでしょう。権力サイドは、テロを防ぐために監視と差別と排除を強めているが、反感と憎しみを生むだけで逆効果です。アメリカがイスラム国への空爆を強めるほど、テロが激しくなるのと同じです。強者と弱者の憎悪の連鎖は、簡単には断ち切れないでしょう」

 

(中略)

 

「仏ニースのテロ事件が驚愕だったのは、トラック1台あれば80人以上を無差別に殺せるという事実です。しかも、たったひとりの犯行です。日本は機関銃や爆弾を入手することが難しいのでテロはやりづらいと思われていたが、盲点でした。それでなくても、日本は人が大勢集まるソフトターゲットがいくつもある。イスラム国が、本気で東京でのテロを計画したら防ぐのは難しいでしょう。心配なのは、イスラム国に感化された日本の若者がテロに走る恐れです。貧困から抜け出せず、社会に絶望している若者が数多くいる。自暴自棄になった彼らが、イスラム国の影響を受けてテロを起こす恐れはゼロではないと思う。すでに『誰でもいいから殺したかった』と、まるで社会に復讐するかのような犯罪が多発しています」(天木直人氏=前出)

 

もし、東京でテロが起きたら日本社会はどうなるか。戦前のような“人権”が制限される暗い社会になりかねない。

クーデターが起きたトルコでは、もともと強権的だったエルドアン大統領が、クーデター事件を利用し、さらに独裁化を強めている。

「クーデターに関与した」と、敵対していた公務員8777人を解任し、判事など司法関係者6000人を拘束。憲法も変えてしまうつもりだ。「トルコの憲法に死刑はないが、反乱が二度と起きないように法改正を検討する」と宣言している。さらに、議院内閣制から、大統領に強い権限を与える大統領制に変えてしまうつもりでいる。

似た者同士、エルドアン大統領と肌が合い、意気投合している安倍首相のことだ。日本でテロが起きたら、渡りに船とばかりに、「治安」を口実に、独裁を強め、人権に制限を加えてくるのは目に見えている。改憲も一気に推し進めてくるはずである。立正大教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。

 

「恐らく、安倍首相は、テロから国民を守るためだ、治安の強化が必要だと訴えて、『緊急事態条項』の成立に動くはずです。緊急事態条項は、すでに自民党の改憲草案98条に記載されている。緊急事態条項は、制限付きであっても政府に強い権限を与え、独裁体制につながりかねない。民主主義の先進国であるフランスでさえ、130人が犠牲となった昨年11月の“パリ同時テロ事件”の後、非常事態宣言を発令したことによって、逮捕状がなくても容疑者を逮捕するなど、人権を踏みにじるようなことをしている。それでも、さすがフランスは、ニースでのテロが起きる直前、非常事態宣言を解除すると宣言していました。でも、『私が最高権力者だ』と豪語し、独裁的な安倍首相は、緊急事態宣言を発令したら、簡単には解除しようとしないでしょう」

 

(中略)
 

前出の金子勝氏がこう言う。

「いま世界は日を追うごとにキナ臭くなっている。国家が危機に直面すると、国のトップの権力が強化され、自然に独裁化していくものです。と同時に、独裁を狙う権力者が、危機を利用するというのも事実です。世界の混乱は、独裁志向の政治家には、願ったりかなったりの状況でしょう。いま、国民は大事なポイントに立たされていると自覚すべきです」

アベノミクスの恩恵も享受していないのに参院選で自民党を圧勝させた国民は、また安倍首相に騙されるつもりなのか。

 

「日刊ゲンダイ」より転載

 

 

力対力のような対決が強まり、憎悪が社会に蔓延し、人々は余裕を失い思いやりが欠如する社会。

非知性主義とでも言うべきものが空気を支配し始めている。

僕は日本国憲法前文が大好きだけど、あそこに書かれている理想は今や泥靴に踏みにじられそうだ。

 

自然の営みとは無縁の世界の拡がりの中で、人々は自らも自然の一部であるという自覚がなくなっているように見える。

緑、野鳥の鳴き声、風のささやき、雲の動き、霧が流れ可憐な花々が咲いている自然の中にみんなで溶け込めば、いがみ合いなんかなくなるのになぁと思うけど、夢物語なのか。