学生が不当労働と戦う本 早大がブラックバイト対策 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

「原発なくそう ミツバチの会」の活動報告や事務局ノブクンの日々のつぶやきを発信しています。

 学業に支障を来すほどの長時間労働や厳しいノルマを課す「ブラックバイト」から身を守るため、学生による学生のための対策本「ブラックバイト対処マニュアル」が先月、早稲田大学出版部から出版された。大学は新入生九千五百人に無料で配布した。学校側と学生が協力して対策本を作ったのは全国でも珍しく、編集にかかわった学生たちは「不当な労働を強いられたときに戦う武器になる。おかしいと思ったら手に取って」と呼び掛けている。 (中沢誠)

 

 編集や執筆を手掛けたのは、早大法学部で石田眞(まこと)教授から労働法を学んでいるゼミ生たち。

 

 「希望を無視したシフトを組まれる」「休憩が取れない」「辞めさせてくれない」など、ブラックバイトの相談でよくある十七のテーマを取り上げ、チェックシートを設けている。このうち一つでも該当すれば、不当な労働に当たるとしてテーマごとに対処法を示している。

 

 例えば、休憩が取れないケースなら「労働時間が六時間を超えれば休憩を与えなければならない」との労働基準法の条文を紹介。労働組合を通じたバイト先との交渉や、労働基準監督署などへの相談を助言している。実際に、ブラックバイトの被害にあった自分たちの体験談も掲載した。

 

 ゼミ生のまとめ役だった石川智章さん(21)=四年=は「自分たちの問題として当事者意識を持ってもらえたら」と期待を込める。

 

 もともと対策本は、ブラックバイトが社会問題となっていたことから、大学の学生生活課と出版部が企画していたものだった。出版部から執筆依頼を受けた石田教授が「学生自身の問題だけに学生が参加したほうがいい」と、ゼミ生に話を持ち掛けた。

 

 当時のゼミ生二十八人の多くもバイト経験者。昨年十月ごろから、テーマごとにグループに分かれて内容を検討した。持ち寄った文案をゼミ合宿で披露し、自分たちの体験を交えながら意見を出し合った。

 

 苦心したのは、労働法の知識のない学生にも理解できる内容にしながら、不当な要求に対抗できるように法的根拠を示すこと。編集会議では他学部の学生からも意見を求めた。

 

 喫茶店でバイトする橋本佳樹さん(21)=四年=は「労働法を学びながらも、バイトは別物という感覚だった。出版にかかわって労働法や働くことが身近なものになった」と振り返る。石田教授は「これからバイトを始める新入生にとって、この本は心強い味方になるはず。ゼミ生にもいい教育素材になった」と話す。

 

 対策本はA5判で全四十八ページ。税抜き五百円で、他の大学生協や書店でも販売している。

 

◆6割がトラブル経験 「記録残し相談を」

 

 厚生労働省が昨年8~9月に実施したアルバイト実態調査では、学生の60.5%が労働条件に関するトラブルを経験していた。

 

 最も多かったトラブルは、「採用時に合意した以上のシフトを入れられた」(14.8%)で、「準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった」(13.6%)が続いた。学業に支障が出たと答えた学生は17.8%に上った。

 

 早大では、学生の65%がバイトをしている。学生生活課にはブラックバイトの相談事例はないが、指導教官らに悩みを打ち明ける学生はいるという。実際に相談が多いのは、コンビニや居酒屋、塾講師といったサービス業だ。

 

 経営者にとって、低賃金で融通が利く上、法律の知識が乏しい学生は使い勝手がいい。コスト削減のため、かつては補完的な立場だった学生バイトも戦力に組み込まれるようになった。

 

 労働組合「ブラックバイトユニオン」の坂倉昇平事務局長は「働くときは労働契約書を確認し、働いた時間は1分単位で記録に残すこと」と助言。「理不尽な扱いを受けてもしょうがないと思わず、ユニオンに相談してほしい」と訴える。

(東京新聞)

 

「ブラックバイト対処マニュアル」を手に、石田眞教授(左)と感想を語り合うゼミ生の石川智章さん(中)と橋本佳樹さん(右)=東京都新宿区で

 

 

ブラックなのはバイトだけではないが、労働者の無知や善意につけ込む事例は後を絶たない。

人手不足で休憩時間を満足に取れないとか、交通費の支給がないとか、時間外労働をやっても超勤代が付かないとか、有給休暇や生理休暇が取れないとか、様々な問題を解決するためには、やはり労働者は団結しなくちゃ駄目なんだけど、労働組合がなかったり、あっても御用組合だったりで、自らの要求を実現するための方法が分からない労働者が増大して、使用者側がやりたい放題。そんな中でブラック企業が大手をふるっている。

そうした事態を変える一方法としてこういう取り組みを大いに進めて欲しい。

日本の労働法制は企業側の思惑で改悪が進められているけれど、働く者を守る条項も沢山あるのだ。

その背景には日本国憲法の存在があることは言うまでもない。

だからこそ働く者にとって日本国憲法は宝物なんだね。

 

この石田教授は学生時代のサークルの先輩だが、頑張っている様子でうれしい限りだ。

 

関連記事を。こんな日本に誰がしただね。

 

ボロ雑巾になって捨てられる社畜たち

 

http://news.yahoo.co.jp/feature/188