「原発だめなら車も差し止め」(和歌山県知事)に朗報/川内原発 鹿児島地裁が「再稼働差し止め」却下 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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 絶望的な判断が下された。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)は安全性が不十分だとして、住民らが再稼働差し止めを求めた仮処分申請で、鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は22日午前、「原発の新規制基準は不合理とまでは言えない」と判断した。住民側は不服として高裁に抗告する方針を示している。


 争点は「地震対策」や「火山(被害)の危険性」などで、住民側は耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)が「過去の地震の平均値に基づいているだけで根拠が不十分」と指摘し、「大地震では対応できない」と主張。これに対し、九電側は「基準地震動を超えた地震でも影響はない」と反論していた。


 川内原発の取材を続けているジャーナリストの志葉玲氏が言う。


 「川内原発は“日本一危険な原発”といわれています。火山学者が『この土地に建てたこと自体、大間違い』と指摘するほどで、周辺には、大規模噴火リスクを抱える火山が複数ある。地震の揺れはもちろん、火山噴火で火砕流が原発に到達する危険性や避難経路の確保はどうするのか。大噴火が起きれば、燃料棒を運び出す時間はありません。過去の噴火記録では、北海道まで灰が飛んでいます。つまり、全国に放射能がまき散らされる可能性があるのです。地裁はこれらのリスクを鑑みて判決を下したのか、疑問です」


  原発の規制基準は、半径160キロ圏内の火山の危険性を検討対象にしているが、川内原発の周辺には巨大噴火の痕跡を残すカルデラが5つもある。


 「判決の判断の理由書に目を通し、地裁は九電や原子力規制委員会の言い分をなぞっている印象を受けました。そもそも、原子力規制委員会の作成した『火山影響評価ガイド』の審理には、火山学者をほとんど入れていません。その内容を地裁は、うのみにしているのです。カルデラ噴火について、かなりの数の火山学者が懸念を表明しているにもかかわらず、意見は聞き入れませんでした。福島原発事故を経験してなお、市民らの声が反映されないのは残念です」(FoE Japanの満田夏花氏)


  原子力規制委員会は川内1、2号機について、地震・津波の想定や重大事故対策などが「新規制基準を満たす」と判断し、1号機は審査中の原発で唯一、再稼働に向けた最終段階の使用前検査が進んでいる。九電は7月にも再稼働を見込んでいる。


 福井地裁に続き、鹿児島地裁でも「再稼働認めず」との司法判断が示されれば、全国の「脱原発訴訟」に“飛び火”するとみられ、注目されていた。ところが、下されたのは司法判断を逆戻りさせるような判決だった。



「日刊ゲンダイ」より転載



僕たちは「世界一危険な浜岡原発」と言っているが、川内原発は「日本一危険な原発」という枕詞がつく。
川内は巨大カルデラに囲まれた所に建ち、浜岡は超巨大地震の震源域の真上にある。
どちらも万が一の場合の被害の凄さが想定しやすい立地条件だけど、そんな事態は簡単には起こらないから、再稼働は心配ないよと鹿児島地裁は判断したわけだ。
福井地裁とは随分レベルが違うなぁ。
日本の原発はみんな動き続けるプレートの上に建っているんだから、どこも危険だらけなのに。


M7以上の地震が起きている場所が赤表示
黒丸は原発の位置。
地震域の上にこんなに原発が建っているのは日本だけ。



田中規制委員会委員長は「、「われわれは今の規制を十分検討したつもりであり、それに基づいて粛々と進めていく」と述べたそうだが、菅や安倍と同様上から目線の粛々と言う言葉が好きだね。
粛々ではなく強引にと言った方が正直なのに。


関心のある方は次の記事もどうぞ。

川内原発再稼働の前に知っておくべきこと


 
九州電力川内原発の再稼働に向けた動きが加速している。 原子力規制委員会は川内原発1号機、2号機の審査を終えて、2014年7月16日に事実上の審査のパスを認める「審査書案」を公表した。8月15日までパブリックコメントを募った上で正式に審査書が確定し、地元の同意が得られれば再稼動が可能になるという流れだ。


  電力各社は電力需給の逼迫と燃料費の高騰などを理由に原発の再稼働を目論んでいるが、審査書案の公表を受けて会見した原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「原発再稼働の判断についてはコミットしない」と述べている。規制委はあくまで規制基準を満たしているかどうかを科学的な見地から判断するだけで、再稼働の判断は政府が行うものという立場だか、一方で安倍首相は規制委の決定を尊重して再稼働を行うとしており、再稼働の責任をお互いになすりつけているかのような印象は拭えない。


  しかし、われわれにとっては何をおいてもまず、今回の規制委による審査で、原発の安全性は十分に確保されたかどうかを十二分に検証する必要がある。5人の委員からなる原子力規制委員会は当初から委員の中立性に疑問が呈されていたが、今年の9月にはさらに元原子力学会会長の田中知氏が委員に就くことが決まるなど、原子力関係業界との接点が指摘される。また、委員の下で実際の審査業務に携わる原子力規制庁の職員も、福島第一原発事故の元凶の一つとして厳しく指弾された旧原子力安全・保安院からの横滑り組がほとんどだ。

  今回公表された審査書案は400ページ以上に及び、原発施設の設計の在り方から実際の施工上の対応、電源の安全確保対策、重大事故の想定や緊急時の要員確保まで記述されていて、一見するとあらゆる事態を想定しているかに見える。

しかし、東京大学名誉教授で原子力施設に詳しいゲストの井野博満氏は 今回の審査書案では過酷事故への対策が不十分であると指摘する。

  原発事故の対応で必要なことは、いかに原子炉を安全に「停める、冷やす、閉じ込める」かが鍵となるが、規制基準が想定している過酷事故のケースはいずれもひとつのトラブルが中心に考えられていて、それと並行して起きる可能性のあるトラブルが十分に考慮されていないと井野氏はいう。

  例えば冷却機能を喪失したケースでは、確かにそれをカバーするための対応は何重にも用意されているが、そのどれもが電力が問題なく供給されていて、対応に要する人員は常に確保されていることが前提になっているという。地震や津波で施設が損傷を受けた上に、全電源喪失に見舞われた時、何が起きるかを思い知らされた福島の教訓はどこへ行ったのだろうか。

また、電源に関しても規制基準ではさまざま定められてはいるが、これも主に単一のトラブル回避が想定されているため複合的な要因が同時発生した場合に機能するかどうか疑わしいと井野氏は言う。

  さらに井野氏は今回の川内原発の場合、規制基準や審査書案を見るだけでは分からない問題もあるという。川内原発では、仮に冷却機能が失われて炉心損傷が起きても、その段階で事態の進行を押さえ込む防護機能が十分ではなく、次に生じるメルトスルーにどう対応するかという対策しか想定されていないという。

つまり川内原発では重大事故の際には冷却機能を維持する対策が不十分なため、その時点での対応を諦め、その次の事態に対処することになっていて、その対応を原子力規制委員会も容認しているという。このような事実は専門家が読んで初めてわかることで、一般の人が規制基準や審査書案をいくら読んでも、知ることが出来ない。

  安倍首相が誇る世界最高水準の規制基準に関しても井野氏は「従来の安全基準に地震や津波対策が加わったものに過ぎず、これでは再稼働を前提に基準が作られていると言わざるを得ない」と厳しい評価を下す。

福島事故で安全神話が崩れ、重大事故や過酷事故が起こりうるとの前提に立った原子力行政が目指されたはずだった。事故後に策定された新しい規制基準は、各数値などはより厳格になっているものの、いずれも従来の安全基準の手直しに過ぎず、既存の原発でもクリアできることが前提になっているため、とても安倍首相が誇るような「世界最高水準」のレベルにはなっていないと井野氏は酷評する。

  現在、日本の原発は全て停止している。しかし、そもそもその再稼働を誰がどういった権限で判断するのかという法的枠組みを日本は持っていない。そのため安全基準への適合の可否のみを審査しているはずの原子力規制委員会の判断が、事実上、再稼働にお墨付きを与える格好になっている。

このままでは総無責任体制の下で原発だけが回り出すことになり、万が一の事故の際にもその対応が甚だ心配だ。少なくとも安倍首相は「規制委の意見を尊重して」などと逃げずに、「私の責任において再稼働します」と言えないのであれば、再稼働などすべきではないだろう。

  既に多方面から指摘されているように、現行の安全基準は周辺住民にとっては最も重要と言っていい、事故の際の避難計画が評価の対象からすっぽり抜け落ちてしまっている。仮に立地自治体によって作成された避難計画が現実離れした代物であっても、現行の制度ではそれを評価して適正化する組織が存在しない。とりあえず防災避難計画の作成が義務づけられているだけで、その内容は問われていないというのが実情だ。これでは安全神話に寄りかかった再稼働と言わざるを得ない。

  川内原発再稼働に向けた動きと今回公表された原子力規制委員会による審査書案を参照しながら、原発の規制の在り方、規制基準の問題点、原子力規制委員会や立地自治体の役割と責任などについて、ゲストの井野博満氏とともにジャーナリストの青木理と社会学者の宮台真司が議論した。

マル激トーク・オン・ディマンド 第693回
井野博満氏(東京大学名誉教授)


ビデオニュース・ドットコム」より転載


もっともこんな馬鹿話を平然とする経産官僚出身知事がいたのにはびっくりだ。


福井・高浜原発:再稼働差し止め仮処分決定 和歌山知事が疑問 「原発だめなら車も差し止め」

福井地裁が関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を差し止めた仮処分決定について、和歌山県の仁坂吉伸知事は20日、定例記者会見で「大飯も高浜も判断がおかしい」と疑問を呈した。

 仁坂知事は「生存権のリスクをゼロにしろと言うのなら(より死亡事故の確率が高い)自動車の差し止め請求ができてしまう。なぜ原発だけ絶対になるのか」と話し「電気代がかさんで企業が倒れたら誰が責任をとってくれるのか」と述べた。

 仁坂知事は元経済産業省官僚。科学技術庁に出向して原発行政を担当していたこともある。



「毎日新聞」より転載


自動車事故で全村避難をするのか!
丸4年経っても事故現場に帰ることが出来ないのか!
子どもの甲状腺癌が増えるのか!
生態系に異常が出るのか!
野菜や果物、魚を食べられなくなるのか!

こんな認識の連中が原子力行政を担っているんだから、被災者は浮かばれない。
和歌山県民もこんな知事にNO!を突きつけて下さいよ。


「脱原発静岡ネットワーク」からの転載です。



FoE Japanの満田です。
本日、川内原発、再稼働差し止め申請は「却下」という結果になりました。債権者のみなさま、弁護団のみなさま、たいへんお疲れ様でした。
以下の脱原発弁護団連絡会のページから決定文を読むことができます。
http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/15-04-22/

いろいろな意味でひどい決定文ですが、とりわけ火山影響に関しては明確な「事実誤認」が2つあります。
下記の噴火予知連の藤井会長のコメントがすべてを言い尽くしているます。(NHKはウェブには掲載していても放送していないフシがあります。ぜひ拡散してください。
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火山噴火予知連 会長「しっかり検討されていないのではないか」|NHKオンライン

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150422/k10010056571000.html

火山の専門家で作る火山噴火予知連絡会の会長で、東京大学の藤井敏嗣名誉教授は、「今回の決定では、火山による影響について、『国の新しい規制基準の内容に不合理な点は認められない』としている。しかし、現在の知見では破局的な噴火の発生は事前に把握することが難しいのに、新しい規制基準ではモニタリングを行うことでカルデラの破局的な噴火を予知できることを暗示するなど、不合理な点があることは火山学会の委員会でもすでに指摘しているとおりだ。

また、火山活動による原発への影響の評価について、火山の専門家が詳細な検証や評価に関わったという話は聞いたことがない」と述べました。

そのうえで藤井名誉教授は「カルデラ火山の破局的な噴火については、いつ発生するかは分からないものの、火山学者の多くは、間違いなく発生すると考えており、『可能性が十分に小さいとは言えないと考える火山学者が火山学会の多数を占めるものとまでは認められない』とする決定の内容は実態とは逆で、決定では破局的噴火の可能性が十分低いと認定する基準も提示されていない。

火山による影響については、今回の判断は、九州電力側の主張をそのまま受け止めた内容で、しっかりとした検討がされていないのではないか」と話しています。
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ニュース・ウォッチ9をチェックして、もし藤井会長コメントが放映されていなければ、ぜひNHKに抗議してください。
また、報道ステーションなど他局のニュース番組にも、藤井会長をインタビューしろという働きかけをお願いします。
<電話によるご意見・お問い合わせ - NHKオンライン>
http://www.nhk.or.jp/css/goiken/call_center.html
<報道ステーション
http://goo.gl/VGf7vn

<少し補足>
要旨を読む限り、火山影響に関して、決定の明確な事実誤認は下記の2つです。

1.「原子力規制委員会は、本件原子炉施設に係る火山事象の影響評価についても、火山学の専門家の関与・協力を得ながら厳格かつ詳細な調査審議を行ったものと評価できるから・・・不合理な点は認められない」としていますが、これは誤りです。
川内原発の火山影響の審査過程で、火山学者は誰も招聘されていません。

2.「カルデラ火山の破局的な噴火の活動可能性が十分に小さいとはいえないと考える火山学者も一定数存在するが、火山学会の多数を占めるものとまでは認められない」

裁判所が何を根拠にこのようなことを言っているかは不明です。九電の鵜呑みでしょうか?
上記の藤井会長のコメントは見事にこの部分をふっとばしていると思いますが、
たとえば、西日本新聞のアンケート調査では、以下のような結果になっています。
「火山活動 が 国 内 の 全 17原発に及ぼす危険性について、西日本新聞 が全国の火山研究者にアンケートしたところ、 噴火被害を受けるリスクがある原発として、九 州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)を挙げ た人が回答者29人のうち18人に上り、最も多かった。・・・」(2014/04/10付西日本新聞朝刊)
毎日新聞でも同様のアンケート調査を報じています。

そのほか、「要旨」を読んだ範囲で、気になった点を下記にまとめましたので、ごらんいただければ幸いです。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1425519691097615&id=100009187927595

また、FFTVでのツイキャス映像は下記からごらんください。
http://twitcasting.tv/fukuroufoe_tv/show/