国連のオリビエ・デシューター特別報告官(食料問題担当)は19日、肥満は喫煙よりも恐ろしい健康への世界的脅威だ、と訴えた。
発言は、スイスのジュネーブで開かれた世界保健機関(WHO)の総会(5月19~24日)で行われたもので、同氏は2012年にも同様の警告を発している。タイム誌やロサンゼルス・タイムズ紙などが詳しく報じている。
【「タバコと同じく国際協調での規制を」】
同氏は、「タバコの危険性について世界中が足並みを揃えて規制を行ったように、適切な食事についての思い切った規制の枠組みに世界は今すぐ合意するべきだ」(国連人権委員会HP)と、緊急の対応を世界に求めた。
また、世界が肥満について十分な関心を持っていないと憂慮を述べた。「私が栄養と食べ物についての報告書を提出してから、2年が経った。WHOが『食事・身体活動・健康に関. する国際戦略』を採択してから10年だ」と同氏は語る。
しかし、「いまだに肥満は増加し、糖尿病、心臓病、それに伴うその他の疾患も増えている。過去の警告が活かされていない」(国連人権委員会HP)。
【カロリーを気にするのではなく消費の傾向を掴む】
デシューター氏は、各国政府によるジャンクフードへの厳しい規制を求めてきた。2012年の報告では、不健康な食品への課税や、脂肪と砂糖の制限、ジャンクフードに関する広告の取り締まり、ジャンクフードの原料価格を下げることに繋がるような農業への補助金について再検討することなどを挙げている。
同氏は、「政府は、カロリーが健康に与える影響については関心を払ってきた」「しかし、どんな食品がいくらで販売され、どんな消費者がターゲットになっているのかについては無関心だ」(国連人権委員会HP)と規制の方向性が誤っていると指摘した。
【「規制は、有効で必要だ」】
国連は2005年、タバコによる死亡と健康問題を減らすことを目的として、WHO主導での長期間の話し合いを持ち、有効な規制を実現化した。
現在、タバコの消費量は発展途上国では増加しているものの、先進国の多くでは減少傾向にある。一方肥満率は、過去30年間で、多くの発展途上国で上昇。特に、人口の多い中国やインドで急増しているという。
同氏は、より良い食事を促進しようとのいかなる取り組み、また肥満との戦いは、「食品の生産・流通・販売についてしっかりした規制をすることで効果を生む」「法律は、盛んに行われる間違った宣伝から、人々を守るために不可欠だ」(国連人権委員会HP)としている。
「NewSphere」より転載
ロスアンゼルスのホテルで午前4時ころ目が覚めて、外を眺めたらホテル下にあったマクドナルドの店に小さな子ども連れの家族が入っていくのを見て衝撃を受けたことかある。
アメリカでも低所得者層を中心に極端な肥満体型が増大しているが、ジャンクフードの影響が大きい。
トルコでは砂糖菓子の食べすぎて糖尿病が急増しているという。
日本でも手軽に朝や昼にマックで済ますという人がいるわけだが、あんなものを常食にしていたら命を縮めると思っていた方が良い。
バランスのとれた安心安全な食事をきちんと三食食べることの出来る社会作りは、集団的自衛権なんかに夢中になっていないで今すぐにでも取り組むべき最優先課題だろう。