中電、浜岡原発の津波痕跡調査へ 敷地、周辺の5地域 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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 中部電力は21日、浜岡原発(御前崎市佐倉)の敷地とその周辺で初めて津波の堆積物調査を実施し、過去の津波発生状況を調べると発表した。

 東日本大震災を踏まえて、国が原発の敷地周辺で津波堆積物調査の必要性を指摘しているため。調査期間は8月~12月の予定で、延長する可能性もある。

 調査の予定地は原発敷地内と敷地東側、筬川流域、新野川流域、菊川流域の5エリア。各調査地で4~10本程度、深さ約5~50メートルのボーリング調査を行う。約6千~7千年前以降の堆積物を調べ、津波の有無や年代、分布などを確認する。調査は専門のコンサルタント会社に委託。調査費は非公表。

 中電はこれまで、文献で歴史記録を調べてきた。国や研究機関による駿河湾や遠州灘沿岸での調査報告も確認し、津波対策を進めてきた。今年3月の原子力安全委員会原子力安全基準・指針専門部会で示された耐震設計審査指針の改訂案で、原発敷地周辺の津波堆積物調査の必要性が記されていたため、今回の調査を決めた。

 浜岡原発では海抜18メートルの防潮堤建設など約1400億円をかけて津波対策を実施中。最大級の南海トラフ巨大地震を想定し、内閣府が今月中に公表する予定の詳細な津波データを基に、年内をめどに対策工事の妥当性を検証する。今回の堆積物調査も「調査の結果、必要があれば津波対策に反映させる」(広報担当者)としている。


自発的姿勢を評価


 杉浦邦彦県原子力安全対策課長の話 原子力安全委員会の指針改訂案などを受け、自発的に津波堆積物調査を行って安全性を検証する中部電力のスタンスを評価する。浜岡原発に対して「安全確保が第一」という県の姿勢や県民の要請に応じたと考えている。今回の調査対象は、県が独自に津波堆積物の調査をしていない場所。第4次地震被害想定の策定を進める中、県として中電の調査結果を詳しく確認したい。

「静岡新聞」より転載

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