NHK経営委員長が辞任 東電兼職、報道の中立で批判
東京電力の社外取締役就任が決まっている数土文夫NHK経営委員長(71)が24日、東京・渋谷のNHK放送センターで記者会見を開き「経営委員長と経営委員を速やかに辞任する」と述べた。
辞任の理由については「視聴者と経営委員に配慮し最終的に決断した」と話した。東京電力の社外取締役には、6月下旬の株主総会で議決されれば就任するという。
数土氏が双方を兼職することをめぐっては、東電が原発事故や電気料金の値上げなど社会的に大きな影響のある問題を抱える取材対象であることなどから「NHKの報道機関としての中立性が損なわれる」との批判が高まっていた。
NHK経営委員会は、放送法に基づき設置されているNHKの最高意思決定機関。会長の任命権のほか、経営方針や予算などを議決する権限がある。
数土氏はJFEホールディングス社長を経て、相談役。2011年4月からNHK経営委員長を務め、受信料値下げなどの課題に取り組んだ。
「共同通信」より転載