連続小説「ボクとトオルくん」2 | 活発なニューテラダ21

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普段使わない筋肉が疲れているようだ。

時計に目をやると朝の3時30分だった。

少し汗臭いベッドから立ち上がってテーブルに置いてあるタバコに火を点けると、

暗闇の中にまだぐっすり寝ているトオルくんの顔が浮かんだ。

時折、車のヘッドライトが結露した窓を真っ白に照らす。

トオルくんの顔も真っ白に。

あんなに無邪気なトオルくんの顔を見たのは初めてだった。

トオルくんはボクを優しく心地好く導いてくれた。

そしてひとつになった。

ボクの目の焦点を合わせることのできない近さでトオルくんを体験した。

二人の間に距離という概念は存在しなかった。

だからトオルくんが作り出す波が逆相でボクを揺らし、同心円の波紋が二人から永遠に拡がっていくように思えた。

ひとつだった。

ふたつのようでも、それはひとつのものがふたつのように見えているかのように。

ボクはそう望んでいたはずだ。