すっきりしないニュースです。

66頭の牛を襲ったヒグマ「OSO18」を駆除…DNA型が過去の襲撃現場の体毛と一致:読売新聞オンライン 


このヒグマに関しては度々マスコミが特集していて、それを見て牛を襲う巨大な悪魔のイメージを抱く人たちが多いと思います。
ヒグマは獲物に執着が強く食べ残しを必ず取りにくるとされてるけど、このOSO18にはそのようなことはないとか、牛の息の根を止めず背後から喰らいついてるとか、その様が「人間を嘲笑うような狂気」だと更に極悪非道な獣像で「討伐しろ!」と盛り上がるのを目にして複雑な気持ちでした。

罠を設置しても捕獲できない、人に対する警戒心が強く姿を見せない。
おそらくこどもの頃に母熊が罠にかかり、人間の手で痛めつけられ絶命する様子を遠くから見て学習しているのではないかな?
また息の根を止める前、獲物が生きてるうちに喰らうのは野生の肉食獣ではよくあることです。
ライオンなどのネコ科のように慎重に絶命させてから喰らう方が少ないんじゃないかな。
捕食の成功率を考えると久しぶりの獲物を少しでも腹に入れたいだろうし、それよりこのOSO18が牛を襲い喰らうやり方が、身体の小さなリカオンを思わせたのです。マスコミや酪農家さんがいうような巨漢で狡猾で人を嘲笑う悪魔のようなヒグマだとはどうしても思えなかった。
乳牛を襲ったのは66頭だけど絶命させたのはそのうちの32頭で、たしかに今年の春にヒグマの被害対策として役所が補助して放牧場の周りに電気柵を設置してたはず。だから今年は一頭しか襲われてない。
7月に駆除された個体、巨漢でもなく平均的か少しスリムな感じなので、まさかこれがあの牛を次々襲う狡猾な悪魔だとは思わなかったのでしょう。


電気柵により牛に近付けず、空腹のあまり警戒心が薄れたところを撃たれたのでしょうか。
飼ってる牛を襲われ喰われた酪農家さんにしたら見逃せない害獣でしょうけど、全国民が「討伐しろ!」と敵意を剥き出しにするほど悪辣な存在だったのでしょうか?


こんな事をいうと「お気持ち愛誤w」と言われるかも知れませんが、私は駆除の反対や批判はしてないです。
殊更に悪党に仕立て上げた討伐劇にする必要があるのか?ということ。

広大な放牧場に電気柵が設置された酪農家さんたち、これでヒグマだけじゃなく鹿に侵入され草を食われたりすることもなければ牛泥棒に盗まれる心配もなくなりましたね、めでたしめでたし。