日本との付き合いの長い私が初めてお節料理を食べたのは2017年の元旦です。意外にも、その時まで日本に5年も住んでいても、お節と一回も出会うことがありませんでした。しかも、初お節は日本でじゃなくて、なんとバンクーバーで食べました!覚えている限り、店の名前は「Blue Door Cafe」でしたが検索すると出てくる店は全然違います! 

その時は日本のことが好きなカナダ人の友達に、その店に誘われて、5人で簡単なお節料理を楽しみました。すごくいい思い出になりました。お節が好きな外国人が多いかどうかは正直分かりませんが私はとても好きです。元々は和食が好きだからかもしれません。

 


 

その次お節を食べたのは2019年の元旦です。その時は鳥取県に住んでいたのでデパートで注文して、届くのを待つしかありませんでした。とても楽で便利でした。夫は日本に遊びに来ていたので二人で美味しい日本酒と一緒にいただきました。次の年も、同じことをしました。

 

 

2020年は帰国したので、2021年の元旦のためのお節を買うのは無理でした。バンクーバーに住んでいたら、お節の注文を受け付けている店は何軒かありますがクール便がないのでケロウナまでは届きません。そのどうしようもない状況に自分で作ることにしました。

 

ー2021年のお節ー
お節の作り方が全くわからなかった私はJust One Cookbookという在米日本人の女性が書くサイトに救われました。日常生活でもよく使うサイトですが彼女のお節の作り方とその為のスケジュールの立て方の説明は最高にいいです。本当に参考になりました。それさえあれば、初心者でも自信を持ってお節を作れると思いました。おかげで、予想通りメニューもスケジュールも問題なく決めることができました。

ケロウナは小さい町なので、アジア料理の材料を売る店が2軒しかありません。その上、扱われている商品の種類は限られています。私がよく通う店では商品が完売になるまで新しいのを取り寄せません。(賞味期限が切れていても。。。)しかも店に行くまで、必要なものがあるかどうかは予想できません。(とても不便です。)バンクーバーには日本の材料の専門店がもっとたくさんありますがコロナのワクチンがまだなかった頃だったのでそこまで行く気がありませんでした。結局、日本から取り寄せることにしました。残念ながら、私のタイミングは最悪でした。2020年の12月、日本は外国への郵便発送を全部止めました。EMSもDHLもだめでした。(手紙だけは許されていたと思います。)そのせいで、栗甘露煮と棒寒天と他の楽天から注文した商品は3月に届きました。(笑)

 

ーやればできるー
ハードルがあっても、「作りたい!」と思っていたのでなんとか頑張りました。ここは海が遠くてイクラはなかなか手に入らないのでマスの卵を買いました。(意外と美味しいです。)スーパーに蓮根がなかったので大根に金属のストローで穴を開けて「酢蓮」の見た目の「酢大根」にしました。鰤はカナダのスーパーで見たことがないので「鰤の照り焼き」の代わりに、「サーモンの照り焼き」を作りました。一番大変だったのは栗きんとんです。栗きんとんは大好きなので絶対作りたいと思いましたが栗甘露煮はここにはありません。生栗を見つけること自体が大変でした。店を5軒も回ってから、ようやく見つけました。クックパッドでレシピを見つけて、栗甘露煮を作ろうとしました。生栗で料理をするのは初めてだったので、栗の皮を剥くのがどれほど難しい作業かを知りませんでした。思い出すだけで爪と指先が痛いです。その時に使ったタオルには栗のシミがまだ残っています。甘露煮のシロップを作った時は沸騰させすぎたことで水分がほとんど全部飛んで砂糖に戻ってしまいました。とにかく、苦労しながら、いろいろ工夫をしてなんとか完成させることができました。三段の重箱の盛り付けはイマイチでしたが状況を考慮した上で考えると結果は悪くないのではないでしょうか。味も意外と良かったです。

先々週の投稿で話した通り、この時期は胃の問題がとても大変で食べる気があまりしなかったので結局お節のほんとんどは夫が食べてくれました。それでもたくさん残ってしまったので捨ててしまいました。本当にもったいなかったのですがいい経験になりました。もう一つ分かったのは大掃除とお節を1人で同時にやるのは絶対に無理です。「もう一度作るなら、もっといい作戦を考えなきゃ」と思いました。

 


 

つゞく…