私の本棚-エキマチ読書室-
昨令和4年12月初旬、下関市竹崎町の大丸下関店7階のJOIN083に「思わぬ出会い 私の本棚-エキマチ読書室」というコーナーが設置された。
これは、市内出身者で活躍した、または活躍中の在住者に借りた愛読書や蔵書の一部を自由に読んでもらい「その人たちがどんな本を読んできたのか、どんな本に影響されたのかを知って、本の持つ力を多くの人に感じてもらえたら」という企画である。
そこには、亀山八幡宮の竹中恒彦名誉宮司、みもすそ川別館の西山玲子女将、松琴堂の西原由美社長、映画監督の故、佐々部清氏、元山口新聞編集局長の佐々木正一氏と私の6名がそれぞれ50~60冊を提供して書棚に並べられた。
継いで、元西中国信用金庫理事長・山本徹氏や元山口銀行頭取・相談役だった故・田中耕三氏が加わることになっている。
エキマチ下関推進協議会の主催で、下関商業開発が特別協賛となっていて4月頃までここで開催されるという。
このお世話をされているのが、元山口新聞の佐々木正一さんで、彼とは40年以上も前から付き合っていることもあって、昨年の夏ごろ「市内の人たちの読んでいたいろんな本をシーモールあたりで並べてみたいが40~50冊位出してもらえんじゃろうか」と相談され、差し当たってあまり必要でも無い本を提供しておいた。
まさか、最初の発足が6人(間もなく8人)とも思っていなかった。しかも愛読書でも何でもない本であるから、戸惑いもあったが仕方ない。
竹中さんは、流石に郷土史に関わる『柳田國男集』や郷土誌など、西原さんは『赤毛のアン』や『ハリーポッター』などのシリーズ、佐々部氏は映画化した『半落ち』の原作本など、いずれもその人を知る貴重な本が並んでいる。
私の読書歴と言って語れるものは何もない。長い文章が苦手で、映画を見て感動したら原作を読んでみるとか、郷土作家の古川薫氏や長谷川修の作品などは出版されるとその都度読んでいた程度。しかし、古川さんの本はサイン本で提供するに忍び無かった。
今回、私の提供した本には『ちくまの森』(15冊)「心洗われる話」「とっておきの話」などとある様に、安野光雅・井上ひさし氏らが監修したシリーズで、多くの作家の短編や随筆などから選択したもので、意外性もあり読みやすいものである。
写真に関する本はあまりなく、しいて言えば『被写体』(三浦友和著)であろうか、これは俳優としての本人とタレントだった奥さん(山口百恵さん)が、仕事としてあらゆる場面で被写体となる場合や、有名人として日常カメラマンに追われ付きまとわられる心境などがさりげなく書かれたもので、私たち写真を写す人間として考えなければならないことが各所に書き表された本だった。
私の読書は、文章の一部に写真との関りがあれば良いとか、郷土と或いは生きるためのヒント「さわりだけ」でいいという感覚かもしれない。『奥の細道』『草枕』などの冒頭とか、『山椒魚』『セロ弾きのゴーシュ』などに悲しみと愛そしてユーモア、こんな単純さで良い。お伽や旅の世界、人物語も良い。
長谷川修の「ヘリュウム氏」に感動したし、古川薫の『暗殺の森』を読んだ時は今度こそ直木賞だとも思った。
記憶の発想も乏しくなった現在、先日の新聞に読書感想文入賞作で、小学校4年生の文章に「SDGs」のことが具体的に書かれていたのに驚き、本の影響力をいまさらながらに感じた。
今回の「エキマチ読書室」は、一部に机や椅子なども置かれ「自由に読んでください」とは言われているが、何となく寄り付きにくい雰囲気が気になっている。
写真は、下関大丸での「私の本棚-エキマチ読書室-」のコーナー
