五月晴れに鯉のぼり | Issay's Essay

五月晴れに鯉のぼり

693 山口市秋穂で見かけた鯉のぼりの風景

 町内での回覧に、毎月『玄界灘の空は晴れて』という西山小学校の「学校だより」が添えられて「進んで学び、心豊かでたくましい西山っ子の育成」が教育目標、そして「人の話を聞く、元気のよいあいさつ、だまって掃除」がチャレンジ目標などと学校の様子を幾らか感じている。
 ところが、我が家が校区の端の方にあり、組内のほとんどが後期高齢者の家庭なので、この最近はランドセルをかけた可愛い小学生の往来を見かけたことも無い。市内の何処かで下校時の湧いて溢れるほどの子供さんたちに出くわすと不思議な気持ちになる。
 5月5日は「こどもの日」。我が家でも、高くもない竿を建てて鯉のぼりを泳がせたのは随分前のことだが、住宅環境が変わった最近は「鯉のぼり」を見かけることも少なくなった。それでもアパートなどのベランダに可愛い鯉のぼりを見かけると嬉しくなる。
 その一方、熊本県小国町の杖立温泉では河川を跨いでわずかばかりの鯉のぼりを泳がせてからおよそ半世紀「今までに何万匹の寄贈があったか感謝です」と関係者が語って居られたが、最近は約3500匹が4月から5月初めにかけての風物詩として全国的な話題となり観光客を集めている。また大分県玖珠町「童話の里」では、ジャンボ鯉のぼりの中を通り抜けるイベントや、山口県防府市の佐波川では鯉のぼりの水中を泳がせるイベントがあった。また、各所の街中では神社や公園、商店街などに鯉のぼりを飾ったりして五月の節句を盛り上げていた。 昨年、鹿児島に行ったときはカツオの幟も見かけたが、下関ではフクやクジラの幟も泳いでいる。
 5月初旬、「車エビ養殖発祥」の話題があり「発祥の現地」を案内方々山口市秋穂に出向いたが、養殖場敷地内に発祥碑のあるその企業は閉鎖されたのであろうか?門が閉ざされ立ち入ることが出来なかった。私たちは一寸がっかりして国民宿舎「あいお荘」で風景を眺めながら休憩、帰る途中、行者様への道の所で勢いよく風をはらんで泳ぐ鯉のぼりに遭遇して「がっかり」はいっぺんに吹っ切れた。
 この幟は、地区の方が皆さんで寄せ集めて建てられたと通りすがりのご婦人が話されていたが、男児の健やかな成長を願って家庭の庭先に飾る「鯉のぼり」の風習が、地域の人や通り過ぎる人々の元気に一役かっているのである。それが、晴天の青空にたなびいていたのでなおさらに嬉しかった。
 思わず♪いらかの波と雲の波 重なる波の・・と口ずさんだら、「それ何」「鯉のぼりの歌よ」「ヱッ♪屋根より高い鯉のぼり」じゃないの、「あァ!そんな唄もあるなぁ」。
 まぁなんでもいいけど、周辺は休耕田に太陽光パネルが敷き詰められ、これも現代的で私には「現代の甍」にみえて愉快な風景に出会ったとも思った。
 鯉のぼりを見かけると、子供たちの健やかな成長を祈る気持ちと、自分のなかに里心、郷愁が沸き上がってくる。
 写真は山口市秋穂で見かけた鯉のぼりの風景