2020年の社会は停滞いていた | Issay's Essay

2020年の社会は停滞いていた

617 台風の潮風を受けながらも色ずいたモミジ

 国連が「誰も置き去りにはしない」という精神の「持続可能な開発目標」(SDGs)を掲げたのは2015年だった。貧困や飢餓をなくす、質の高い教育を提供する、女性差罰を撤廃する、不平等をただす、気候変動とその影響を軽減する・・などである。
 2030年までに世界を変革するという試みだが、2020年も残りわずかな日数となったが、何一つその目標が進行する気配もなく、本年は始めから新型コロナウイルスの防戦一方、プラごみ削減や地球温暖化対策にしても足並みが乱れ、ダボス会議に出席したトランプ大統領は「世の終わりが来るかのような予測ははねつけねばならない」などと、温暖化は人為的要因と無関係のような発言だった。これに対してスエーデンのグレタさん(17歳)は「米国のパリ協定離脱はとんでもない」と非難し「こどもは心配するな、任せておけと言われるが、何も成し遂げられていない」と、温暖化防止に具体策を求めた。
 1月中旬、中国武漢に滞在していた男性が帰国し、新型コロナウイルスと診断された後、中国では瞬く間に死者が千人を超え、日本でこれに反応したのはむしろ民間人でマスクは忽ち店頭からなくなった。1月下旬頃から、行政も対応を始めたが実際にはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」乗員の下船頃から本格化したようで、現在(11/26)は夏の流行に匹敵する1日の感染者数は2000人を超え、大きな流行期第3波が急拡大しつつあるとみなされている。国内の感染者数は13万人を超え、世界では6000万人を超している。
 ところで、私の幼いころはトンボや蝶、ツバメ、雀、蝙蝠、ハエや蚊さえも莫大に多かった。逆に、イノシシやシカ、ましてやクマの被害などこの地区では聞いたことも無かった。殺虫剤などの使用で、虫や鳥などが減少し植物を伐採し、地球規模でいえば人口80億人。ほとんどがエネルギーを使い文明社会に生活している。ウイルスは動物が媒介して人間社会に挑み、ある時代にはペストが蔓延し、今回原因も定かでなく新型コロナの猛威である。ワクチンの早期開発が待たれる。
 この7月は、九州の集中豪雨で大水害となり、長雨の被害は東日本まで広がった。そして猛暑、10月は台風の被害に戦々恐々だった。その間、我が社会は地球温暖化対策と銘打って、ささやかに「レジ袋有料化」となった。
 これ等の自然現象が、地球温暖化によるものかどうかはともかく、台風の猛威は関門地区の沿岸に、潮風の洗礼を浴びせ木々の葉はことごとく影響しイチョウなどは多くの葉を散らし、カエデの葉は潮風にもまれて仮死状態になった。それは、モミジの時期になって、鮮やかに黄色になるはずのイチョウは枝ばかりが目立って葉っぱが少なく寂しげであり、カエデも情けなくチリチリの枯葉を見せるモミジが多く、人によっては「今年の紅葉はつまらん、汚い」と紅葉狩りを嘆くのである。一年一度、光合成を終えた植物の終焉期の姿、カエデに何の罪があろうか。因果応報。思えば人間社会、文明がもたらした地球温暖化、わが身の罪に影響したかもしれない。
 11月になって、鳥インフルエンザが香川県で続発し、同県には114の養鶏場に約450万羽が飼育されているそうだが、すでに5例、そして九州にも発生した。数羽の発見がある都度、万の単位で即座に殺処分されている。人間の新型コロナの対応は慎重でなければならないが、これに比べて、鳥インフルエンザは何とも哀れでならない。
 写真は台風の潮風を受けながらも色ずいたモミジ