伊倉のお地蔵さん(2)-2 | Issay's Essay

伊倉のお地蔵さん(2)-2

605 集落中央部のお地蔵さんと六地蔵石幢

 ガードをくぐり小路の四差路に、またまた赤レンガで囲った祠があって、貝殻模様で薄青い生地の前掛けに烏帽子風の帽子をかぶさったお地蔵さんにシバが供えてあり、お堂の前には「コロナ感染拡大防止のため8月24日のお地蔵祭りの接待は中止させて頂きます 世話人」との張り紙があった。例年は地蔵祭りが8月24日に確かに行われていることが分かった。ここでは何人かの組でお地蔵さんのお世話をしていらっしゃる方がいらっしゃるのであろう。
 その辻の向かいに小さな集会所、板壁に「あいさつ道路 みんな笑顔で元気にあかるくあいさつしましよう おはよう こんにちは こんばんは」と掲げてあった。
 その隣に広い立派な土間の部屋があり、奥まったところに高さ2m程の彫もしっかりした六地蔵石幢があった。宝珠と笠の部分にはやはり布が被せてあり、ここにも菊の花がいっぱいに供えられていた。
 こうして西の小学校入口に部屋造りのお堂中央に五輪塔の一部が祀られ、小学校を一巡して回り込むと細い板碑のように角型の石に彫られたお地蔵様が空色の布の間からお顔だけを覗かせ、両脇に菊やリンドウなど華やかなお供えがあった。街の中央北側に、やはりコロナの張り紙のあるお地蔵さん、集落東のT字路ではお地蔵さんの祠のため、石垣は後ろに下げて構築されてお祀りされていた。
 ともあれ、あの世とこの世の境である六道入り口には地蔵が立ち、衆生を教化すると考えられ六地蔵が生まれた。その六道というのは、衆生がこの世でなした善悪の行為により、次の世に赴き生まれる6種類の世界。これが地獄・餓鬼・畜生の悪業によって生まれる三悪道と、修羅・人間・天上の善行による三善道の六道で、こうした思想が墓地入口や、村の入り口などに地蔵を祀ることに発展した。伊倉の場合、こうした信仰の形が非常に良く残されていると感じた。
 そのほか、この集落にはお忌み石が二石、荒神様などもあったが、ここで説明するスペースがない。ともあれ、これほど回って40分もかかっていない。
 地蔵祭りの日は、各お地蔵さんに灯があげられ、それぞれ香を焚き、おひねりを持った浴衣の子どもたちがお接待を受ける楽しみ、今年はこの行事も縮少されるのだろうと思いながら、伊倉の地蔵群にふるさとを感じたひと時を過ごした。
 写真は集落中央部のお地蔵さんと六地蔵石幢