赤ベコと隠岐横綱牛
今年、平成21年(2009)の干支は「己丑」ですが、日本人は、何かにつけてその「十二支」と、暮らしや運勢に関りを見出そうとします。
「丑」は「牛」に通じて、日本では弥生時代から農作業に牛を用いていたといわれ、農耕には欠かせない動物でした。また民間信仰では「牛」が農耕神の使いであるとも信じられ大切にしたようで、郷土玩具には、車をつけて曳いたり、首振りで楽しんだり、闘牛を表現したりと多採に登場します。もちろん天神との結びつきがあって牛乗りの天神人形もあります。
今回の写真は、私が旅に出かけたときの想い出のものですが、郷土玩具「赤ベコ」と「隠岐横綱牛」を掲載しました。
先ず「赤ベコ」ですが、会津地方では「牛」のことを「ベコ」と呼んでいます。赤ベコの玩具が出来たお話は『今から約1200年前の大同2年(807)、福島県柳津町の円蔵寺虚空蔵堂建立するとき、水量豊富な只見川から陸揚げされた木材を運ぶのに牛が利用され、多くが険しい作業で倒れる中、最後まで働いたのが赤色の牛だった』ということから、何時しか重荷に耐え壮健に育つようにと、子どもの誕生に「赤ベコ信仰」が結びつき、頭を胴内に差込み振り子のようにした、ユーモラスな赤色の張子が出来上がったといいます。
今では「厄病除け」の会津の民芸玩具として親しまれているようです。
一方の、横綱牛は『約800年前の承久の乱で、隠岐に流された後鳥羽上皇を慰めるために始まった「牛突き」が、禁令の目を掠めながらも、健全な島の娯楽に発展し伝統行事になった』ことに由来する、巨牛の激闘を勝ち抜いた「横綱牛の土俵入り晴れ姿」を表現する、新しい土産品として創作されたものです。そこには明るい平和な島の歴史が彩られています。
「牛の歩みも千里」壮健で慌てずゆっくりと行きましょうよ。