岩国レンコン | Issay's Essay

岩国レンコン

岩国レンコン

 「おれは錦帯橋を未だ見たことがない!」と友人かいい出したので、この夏、早速、岩国の史跡や文学碑を案内しました。
 この最近、錦帯橋あたりの食堂で目につきだしたのが「岩国寿司」の看板です。レンコンの旬でもなく、こんな食堂でも造っているのだろうかと思いながらも、少し小奇麗な食堂で昼食をとりました。
 岩国は、全国的にも有名なレンコン産地で、江戸時代に岩国藩主がレンコン栽培を奨励したことに始るといいます。
 日照時間が長くチョッピリ塩分のある土壌が、台風に耐える丈夫な葉や茎、独特のモッちりした粘りとシャキシャキ感のあるレンコンを育てるといわれます。それに藩主・吉川家の九曜紋に似て、穴が普通よりも多く9ッあるのが特徴で、「見通しがなお良い」といわれる縁起物、正月のおせち料理には欠かせない特産品になっています。
 このレンコンを使用する岩国寿司は、美しく豪華で、栄養分や植物繊維が多く、抗酸化作用のある押し寿司の一種で「殿様寿司」とも呼ばれる角寿司です。山城で合戦に供えるため、当時は保存食として考えられたのかも知れません。
 「とにかく造り方が凄いのよ、50センチくらいの木枠の底にチシャの葉を敷き、そこにサワラやアジなどの生身をほぐして混ぜ込んだ酢飯しをつめてその上から、錦糸卵、しいたけ、春菊などの青菜、デンブ、それに岩国特産のレンコンの酢漬けを飾り付ける、一段が約1升、これを簡単に押えると、又、チシャの葉を敷いて、同じように二層目、三層目、と段を積み重ね木の蓋を置いて重しを掛け、料亭なんかでは、料理人が白足袋で蓋を踏んづけて固めたあと、最後に木枠を引き抜き、こうして一気に150人分位の寿司が出来上がる。」
 こんな話でもしている内に、岩国寿司が出てきました。
 友人は早速、ハスの穴数を数えていましたが、断面が半分で「これじゃあ分らんが、穴が9ッあるとは思えない」と言い出しました。反掛のレンコンは確かに3ッか3ツ半の穴で・・・、私もこれは普通のレンコンだと思いました。
思わず通りかかったお店の方に「岩国レンコンの穴は9ッですよねぇ」といったら「そうですょ」と何食わぬ返事でした。
 11月17日は「レンコンの日」といいます。最近、岩国レンコンの産地偽装問題が取りざたされ、ふと、あの夏の日を思い浮かべてました。