西楽寺の阿弥陀様 | Issay's Essay

西楽寺の阿弥陀様



 下関市彦島本村町のバス停「本村」から徒歩2~3分のところに、西楽寺というお寺があります。石段の登り口に「平重盛守護仏彦島開闢(かいびゃく)尊像安置」と刻まれた小さな石柱が建っています。

「正覚山・西楽寺(さいらくじ)」下関では珍しい時宗のお寺で、ご本尊は阿弥陀如来です。本州西のはての島に、似つかわしくないほど立派で気高く美しい仏像です。ちなみに下関の指定文化財になっていて、高さ83.5cm.ヒノキ材寄木造りの像は、上品上生の印を結び蓮台上に結跏趺坐されています。

伝えによれば、白鳳期に天武天皇の命で造られ、東大寺に安置されていたものを、平重盛が熊野権現のお告げで貰いうけ「平家一門の守り本尊」にしたというものを、源平壇之浦の合戦後、文治2年(1186)植田治部之進兼晴、百合野民部高昌、岡野将監重利ら落人が密かに運び込み草庵を結んで守り続け、その後90年の建治2年(1276)、今度は一遍上人の高弟・西楽法師が彦島を訪れたときに平家守護仏という阿弥陀様の威光にうたれて島に留まり、一生をこの仏様に仕えることにしたといいます。そのとき西楽庵に尊像を移してお祀りし、何時のころか西楽寺と改名されたといわれます。

本堂正面、眉間に鋭く光る白毫の阿弥陀様を拝みながら、平氏の中に有って仏教に帰依した温厚徳実な人格者、重盛を、平氏が起死回生を計った彦島の地で偲んでみてはいかがでしょうか。