「野球筋」を理解して筋トレすれば、効果が大きくなるということをお伝えしています。
今回から野球のプレーをする上で、具体的にどの筋肉がどう関わり、どのような役割をはたしているのかについて、摩季れい子学長の著書『野球選手の故障予防と投打のバイオメカにクス』第6章のコラムから引用して、ご紹介しましょう。
第1回目は僧帽筋中部繊維についてです。2回に分けてご紹介いたします。
★ 僧帽筋中部線維<インナー筋:菱形筋>肩甲骨を安定させ、ゼロポジション近位置を確保し、腕振りを素早くする筋肉
【僧帽筋の図示・左背部】
僧帽筋は、「ピッチングの命とも言える投球腕ポジションをゼロポジション近位置に導く重要な筋肉。肩を支点として腕を動かすには背面にある肩甲骨の安定が必要です。
肩甲骨の安定とは、胸郭面にしっかり添い、肩甲骨が内転運動しなければなりません。この内転運動をさせる筋肉が僧帽筋中部線維と菱形筋、そして前鋸筋です。実際の動きで説明しましょう。
テイクバックで腕を後方に引く時には、肩甲骨の内転運動(背骨に近づける運動)を伴うことが絶対的条件です。
その肩甲骨を内転させ、安定させる筋肉が、僧帽筋中部線維とその深層にある菱形筋で、ともにコンセントリック収縮(縮みながら力を出す)を行います。そして前鋸筋はエキセントリック収縮します。
また、アクセレレーション期からリリース期・フォロースルー期にかけては、肩甲骨の内転に働いた僧帽筋中部線維や菱形筋が伸張しながら肩甲骨を外転(背骨から離れる)させ、腕を前方に導き、腕を振り抜きます。
このパワーは、僧帽筋中部線維や菱形筋の伸張力と、肩後方にある三角筋後部線維や棘下筋、そして上腕三頭筋がエキセントリック収縮する(伸びながら力を出す)ことで生まれます。
これらの筋群のもう一つの重要な働きは、腕振りでの減速効果です。投げる動作の中で腕は肩甲骨から離れていきますが、その時、腕が前方へ飛び出そうと引っ張る力に対し、それを減速させる力が働きます。
球速が速ければその引っ張る力も強く、そのパワーに対し、骨盤の腸骨稜に付着し、上腕骨の小結節稜に付く広背筋が牽引ストレスを軽減させるのです。この効果は肩後方に招きやすい棘下筋腱炎も予防します。」
つづく
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ゲスト 松本幸大 元プロ野球選手
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