投球動作と肩痛の関係 | 関西メディカルスポーツ学院

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整形外科医師・理学療法士・柔道整復師も学ぶ摩季れい子学長のオリジナル技法

前回まで、ピッチングの腕振り動作に関わる肩関節のメカニズムについて、ご紹介してきました。


今回は投球動作と肩痛の関係について、摩季れい子学長の著者『野球選手の故障予防と投打のバイオメカニクス』から引用して、ご紹介しましょう。


「肩を痛める大きな理由には大きくフォームの問題と、投げすぎによるオーバーユーズがあります。


オーバーユーズに関しては、年齢、体力に合った投球数の制限や過度な連投は避けるなどの処置が必要で、これは指導者の理解の下、チームとしての取り組みが必要となります。


肩を痛めるフォームの代表例としては、下半身と体幹、腕を使うタイミングが悪く、体の回転に腕が振り遅れ、ヒジが前に出ないうちに手先で投げようとする形です。


腕は意識して振るものではなく、下半身から体幹そして肩、腕へパワーが伝わり、そのスムーズな連動によって勝手に振られる使い方が理想的です。写真12 


悪いフォームの一例


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投球動作を大きく動きによって分けると、ワインドアップ・テイクバック・コッキング・アクセレレーション・フォロースルーとなります。


この中では、テイクバック期以降に肩に痛みが出るケースが大半です。逆に言えば、テイクバックからコッキング期である準備期がいかに大切かを理解してほしいのです。


テイクバック期の肩関節は外転(腕を横から上げる)から外旋運動(腕を後ろへ回す)、次に内旋運動(腕を前に回す)が強いられ、三角筋中部線維と後部線維は引き伸ばされます。


そして、棘上筋・棘下筋・小円筋などの腱板は、収縮から伸展の中で肩峰下滑液包や鳥口肩峰靭帯により圧迫を受ます。


このため三角筋炎や腱盤損傷、インピンジメント症候群などが発生しやすくなるのです。


また、フォロースルー期では上腕三頭筋の収縮により腕は前方へ強く振り出されるため、腱盤や肩の後面が引き伸ばされます。


このため上腕三頭筋腱炎や肩関節の後方の関節包、関節唇を損傷しやすくなります。


近年は高校生の投手を見ていても140㌔を投げることは珍しくなくなり、時には150㌔を投げる投手も出てきています。スキルアップは顕著ですが「投げる」ことでの体への負担も大きくなっています。



野手の場合もポジションに関係なく無理のないフォームを身につけることが一番です。


内野手が肩を痛める場合は体勢が整わないうちに腕を振る場合が多いからです。


肩甲骨の関節窩面に上腕骨頭がしっかりはまっていない状態で腕を前方へ振ると、ヒジが出てこないために小手先で投げるフォームになります。これが肩の前方やヒジ内側へのストレスを生み、炎症につながるのです。


外野手の場合は内野手に比べ送球の距離が長くなるため、より体全体を使い、かつ大きな回転運動を行います。そのため肩回転の加速終了時に負担のかかる後方部分に痛みが見られるケースが多くなります。


まずは、「投げる」ということ自体が肩にとっては大きなストレスであることを自覚してほしいと思います。」



つづく


肩関節周囲の組織、野球選手に多い肩の故障、ペインフルアークなどにつきましては、『野球選手の故障予防と投打のバイオメカニクス』をご参照ください。

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