<文系と理系>

引き続き、うつ病の本を読み中。


マーティン・E.P. セリグマン, Martin E.P. Seligman, 山村 宜子
オプティミストはなぜ成功するか



そこそこ分厚いが、著者の狙いはただ一つ。

説明スタイルで、人はうつ病になるかならないかが決まる!

それを論証することだ。


ところで、この論証が難しい。読んでいて、もどかしくなってくる。

要は、実験が困難だから。

極論すると、何枚アンケートを回収できて、

そのサンプルがMECEになっているのか、がポイントだろう。


多分、この先に議論を進めようとするのならば

統計の概念が登場するんだろうけれど、俺は知らねー!


この点、理系やっててけっこう幸せなんだなーと気付いた。

実験が遥かに簡単だから。

量も人手も金額も多分、安上がりで済むはず。

実験が成功するかどうかは話が別だけど。


例えば、女性は男性の2倍うつ病になる、と著者は結論している。

そして、理由の仮説を挙げた後に根拠を述べている。

必死こいて、アンケートをとった量とサンプルの偏りの無さを

アピールしていたが、読んでて苦しいなあと正直思った。


多分、自然科学は実験が全てだという基礎を作った(作ってしまった)のは

デカルトだと思うけど、その時から文系の苦境は始まっていたのかもしれない。

この100年とかは、テクノロジーが無駄に発達しちゃったから特にねー。

互いに喧嘩してちゃもったいないぜ!と唱えたのは、


C.P. スノー, Charles Percey Snow, 松井 巻之助
二つの文化と科学革命


だが、19,000円はありえない。

名著中の名著との評判なので、泣く泣くいつか読むと思うけど!

そして、筑波大学の教育研究科理科教師コース(大学院)の

必須参考書として本書が挙げられていたことについては、

さすが!と思う。理系の教授がこれを引っ張ってくるとは

まだまだ捨てたもんじゃないね☆

でも、みんな本当に19,000円払うのか?


とにかく、両者の違いに、実験手法があるのは間違いないっしょ。


ちなみに、女性は男性の2倍うつ病になりやすい理由の仮説は、

男性は、うつになったら考える前に動く習性がある

女性は、うつになったらなぜうつになったのか考える習性があってはまる

から、だそうだ。


俺、絶対動く前に考える人なんだが!(笑)

これはやっぱり嘘かもね☆


<みすず書房>

↑の本はみすず書房が出している。

ここは出版界の良心ともいえる存在で、

読書慣れしていればしているほど、ジャケ買いする確率が上がるかも。

それくらい、クラシックな雰囲気。ラインナップはぴかいち!

ハイゼンベルグやユングの自伝なんかはさすがに読む人が読めば

いいだろうけど、例えば、


ヴィクトール・E・フランクル, 池田 香代子
夜と霧 新版


これは、くそ有名で全人類必読の書だし!

下手に岩波を無理して読むより、

幻冬社かっこいーなんてミーハー度丸出しするより、

ここを集めると、凄いかも。本読んで、泣けるかも!


<てなことはどーでもいいが、>

遂に今日研究室をおさらばすることになった。

まだ、先生への手紙も書いてない。

そして、今夜の宿も決まっていない(笑)。

あーあ、どうしよう。頼みますよO野田さん。