昨夜は早くに寝てしまって、今朝気が付いたウィチャットのメッセージ。

昨年6月末までお世話になった中国の学院の外国語学科の副院長(日本語科のトップ)から教科書を作るので、会話文のチェックのお願いだった。確か去年は練習問題のチェックだったような気がする。今となってはもう過ぎ去った日々のことで、すっかり忘れてしまった。

中国では日本語の教科書も政府のチェックが厳しくなり、国境問題で地図が載っているものはNGだそうで、二年前から「みんなの日本語」が使えなくなり、独自の教科書を作成したとか。この学院、教科書作りも熱心でいろんな教科書を作っている。が、どこから持ってきたのかという文章が多い。特に過去に使った「科技日語」は、教科書を作成した先生方も教えるのが嫌だという(笑)

で、今回は著作権の問題があるので、人名や、少し変更をしたら、日本語がおかしくなったとか。

初級の教科書は意外と難しい。そして、ちょっとおかしい日本語でも仕方ない部分がある。それは、文型を学びだして間がないので、教えた文型で会話文を作らねばならないからだ。とはいえ、いろんな教科書から少しづつ取ってきたものばかりなので、そう変なものは無い。はず。が、新しい言葉を入れる方がいいだろう。的なものもあって、戸惑うこともあるし、相槌や返事に少し問題ありというものもある。

「これから、お世話になります。」をもとの教科書では引っ越ししてきた人が使うようになっていたが、今回は、日本人留学生と留学先の中国人学生の間で、留学生ではなく留学先の学生が言う。

使い方は間違いではないが、でも、おかしい(笑)とか、

第二課という早い段階で、

「それは何ですか?」

「これは○○です。」

はいいが、

「あれは何の雑誌ですか?」

「それは、○○の雑誌です」

は、ちょっとおかしい。日本人も使っているが、基本的に「あ」は会話している二人から離れているもののはずなので、初級は「あ」で答えなければならないはず。

そして、今まで気になっていたこともあったので、思い切って書いておいたのが「うん」という返事。まだ習い始めの第三課で使っている。勿論、使ってもいい言葉だが、中国人には「嗯」という「え」と「お」の間の音で「おん?」の返事がある。母語の影響でか、頭に残るようで、上級になっても、日本へ留学する学生でも修正できないことが多い。

どうだろう、今の日本では留学先の先生に「うん」と返事をして喜ばれるか?研修先の職場で上司に「うん」を使ってOKだろうか。と、思っていたので、そのことを書いた。

「みんなの日本語」でも、第20課あたりで

「○○、食べる?」

「うん。たべる」

というのがあったはずだが、できれば、出てこない方がいい気がする。

「うん」を使えば、「うん、じゃなくて、はいでしょう」と、子供の頃言われた。今は言わないのか?

言葉は変わっていくから、使う人が多ければ、と、時々自信がなくなる。

と、まぁ、懐かしい気持ちになった。

他にも、文脈的には使うかもしれない「はいはい」という返事もあった。

「運動した方がいいですよ」

「はいはい、わかりました」

こちらも中国人繰り返しが好きだから、つい使ってしまう人が多くいた。

そんな習慣化しやすい言葉はできれば入れない方がいいと思う。と、長く思っていたので、今日は勇気を出して言ってみた。←この時点で副院長から電話がかかってきていた。

副院長は意外とすんなり、「そうですね丁寧さがないですから、使わない方がいいでしょうね」と返事をされた。

訂正する気はないんだろうな。と、思いながら、「はいはい」と返事しそうになる自分を抑える。

少し前に他の先生から、会話文を作らなければならないのですが。。と連絡を受けた時。

「新入社員の王さんは給料のことで悩んでいます。先輩に昇給の事を聞いてください。」

そりゃ、難しいですよね。日本じゃ話題にしない。それどころか、中国でも学院の契約書に「給料は他言しないこと、聞かないこと」と書いてあり、もし違反したら罰則、罰金がある。と書いてあった。

皆さん、わかってはいるが、答えにくいものをこちらに振ってくる。そして、うまく、日本人が言ったから。と、かわしているのでは?今学院には後任の日本人がいるが、その日本人に聞きにくい問題だから、こちらに回ってきたのかも。

それでも、思い出して連絡をいただけるのは嬉しい。

もう、勤務査定もないし、気楽に答えよう。

副院長とはあれこれ懐かしい会話が展開し、是非、遊びに来てください。と言ってくださった。副院長もまだ行ったことがない中国がたくさんあるので、一緒に旅行しましょうとも。

カンコロは今月末から来月にかけて、春節映画を観に行こうと思っていたが、いまだに日本人の短期渡航のビザ免除がないので、行けない。というと、ヨーロッパのいくつかの国は免除になりました。という返事。まだ対日政策は閉鎖的なのかと、思うと気が重い。

東京に行くより、簡単だった上海への渡航はまだまだ先のようだ。