王さんはカンコロの学生とはいいがたい。

2013年に三カ月だけ他の先生の授業の代わりに受け持った。授業の内容は日本のニュースを読む。いわゆる精読の授業の一つだった。

教科書はなく、前任者は中国にある古い日本のニュースの本を使っていた。

カンコロはあまり気にせず、当時ネットニュースからタイムリーなものを選んで話題にして、会話の授業になっていたと思う。

学習係の学生の評価では前任の先生の方がいいと書かれてあった。そのクラスだったと思う。申し訳ない。

それでも、親しくなったのは、彼女たちを担当していた日本人が、週に一度部屋で日本語のおしゃべりをしていた時に呼んでもらったからだ。それでたまに、話をした。もっぱらそばで聞いているだけだったのだが。

それでも、日本人は二人しかいないし、女性はカンコロだけだったので、親切にしてもらった。今回も、彼女の仲の良い張君の結婚式、子どものお披露目会などで顔を合わせたし、その時にお世話になった。眼鏡を買う時もついて行ってもらった。何より彼女は大阪に留学していたので、関西弁を話し合える仲でもある。おそらく彼女はそれが一番懐かしいのだと思う。時々聞く、仕事の日本人の話も、関西弁が一番懐かしいと言っていた。

2017年彼女はここ北仑で大阪の企業の男性と知り合い、彼について行くような形で日本の語学学校に留学し、そこから日本の大学院を目指した。その時に、少しアドバイスを個人的にしたことがある。

日本の大学院の中には、必ずしも16年間の教育課程を経てなくても受験できる大学院がある。

日本の教育では小6年、中3年、高3年、大4年だが、大の部分が短大2年でも受験できると考えていい。その場合、足りない2年間を社会経験、もしくは研究生として補えば受験資格ができる。同様に留学生でもこの学院の様に三年制の高等教育機関を出ていても、1年間の研修生、もしくはそれに値する学校(実質的には日本の語学学校)で1年以上学習した場合受験資格ができる。受験して合格すれば大学院生になれる。この説明を日本語でした。そのシステムを理解した王さんは語学学校の人に相談し、和歌山大学の修士に進学すべく、和歌山大学の研究生を一年した。ただし、専門は心理学。受験して引き受け手となった指導教官が心理学の先生だったからだ。しかし、現在心理学修士は難しい。よく合格したものだと驚いた。心理学には将来心理カウンセラーのような対人の仕事が多いため、留学生は倦厭されるのだ。ともかく、王さんは和歌山大学の心理の修士を卒業した。彼女は日本語も上手だがコミュニケーション能力も非常に優秀で、笑顔も素敵だ。なので、ロータリーの奨学金を貰えた。このロータリークラブの奨学金は金額が多い。なので、なかなか当たらないのであるが、その難関も王さんは突破した。そして、ロータリークラブのいろいろな奉仕活動にも参加して、メンバーの皆さんにかわいがってもらったようだ。振袖も着せてもらっていたし、毎月例会ではごちそうが食べられたと話していた。もちろん、いろんな活動に奉仕しなければならないが、月17万円の奨学金から比べると簡単なものだ。

もちろん、順調でないことも話してくれた。日本の大学の学費免除が一年ではなく、半年だということに気が付かず、後期の授業料の請求を見て驚いたとか、結婚するのかと思った大阪の会社員との別れ。詳しくは聞かないが、いろいろあるとは思う。

日本でのアルバイトの厳しさ、終電で家に帰る恐怖。そのため彼女は空手を習ったという。日本で就職出来なかったこと、などなど、そして、現在は寧波で日本の企業と取引のある会社に勤めている。そして、おそらく来年結婚する。今はその準備中だ。

彼女を好きな人は多い。学院のクラスメートで東京に留学していた王君も好きなのだろうと思う。が、彼女と結婚を約束した男性は違う人だ。

どんな人なのか。先日偶然北仑に来ていて、食事を一緒にしたが、見栄えは平凡。しかしよく気が付く青年だった。彼女のために尽くしている。4歳年上の同じ胡州の出身らしいが、現在は寧波にマンションを持ち、胡州で仕事をしているらしい。そして、すでに3年、付き合っている。なれそめは。。。詳しいことは忘れたが、友達の紹介だったと思う。その中で気の合う人と言うことで、付き合い始めたようだ。

両親も彼のことが気に入り、早く結婚すればいいというらしい。が、一年間、王さんは他の人が好きになって別れたことがあるという。私が悪い。と言っていたが、そのとおりだと思う。彼は王さんと別れてやつれてしまったそうだ。友達から彼は元気がない。と連絡もあったという。そして、両親からもどうして別れたのかと責められたという。王さんの母は涙も流したという。

ある日、夜中の三時に職場の携帯に彼から連絡があった。王さんはプライベートの携帯は夜切ることを彼は知っていたから、職場の携帯に電話したらしい、そこで、切々と王さんの事を思っていると告げたらしい。それで、王さんは翌日会う約束をした。そして、寄りが戻ったそうだ。現在、彼の所有しているマンションで王さんは暮らしている。彼の車で通勤している。そして、二時間半かけて、週末彼は会いに来て、結婚準備をしているそうだ。

陽気で、コミュニケーション上手で賢い王さんだが、外で気を遣うだけ、家ではわがままな様子だ。そのわがままを受け入れてくれるのが彼なのだそうだ。忙しい時は彼が声をかけても返事をしない。それでも彼はわかってくれる。機嫌が悪い時はなだめてくれる。喧嘩をした時は彼から仲直りの提案をしてくれる。などなど、のろけか?!と言う話もたくさんしてくれた。まだ、一緒に暮らしたことがないそうなので、この先はいろいろあるだろうと思う。が、彼が王さんを好きな間は大丈夫だろう。

卒業生の謝さんは語学学院の日本語科の1位だった。金さんも1位になったことがあった。王さんは国際学院(言語系の学部くらい)全体の1位になり、卒業式には国際学院の代表として挨拶をした。そして、学院の中のアルバイトで学院長(学院の一番偉い学院長)の秘書的な仕事をアルバイトとしてしていたそうだ。なので、学院のトップ職員の知り合いも多いし、そのトップから可愛いがられているのだ。今回の学校内に入るのでも、車の駐車許可までもらっていた。ほかの学生は学校外に車を置いて、歩いて入校は許可されていたが、車を学校内に置けたのは王さんだけだった。

この先、彼女は仕事を続けたいと思っている。そして子供は仕事を辞めた後、自分が修士で学んだ心理学をもとに子育てをしたいと言っていた。

すこしだけ、また、日本に戻って、博士課程にも進学したいと思うとも言っていた

昨日、謝さんとあったので、その気持ちはが頭をもたげてきたと思う(笑)

 

王さんがお土産に持って来てくれたタイの麺。

美味しくできました。本場のタイのスープよりまろやか。

 

 

冷凍エビと冷凍イカがあったので、入れました、ちゃんとスープと具材もついていて、タコやイカが入っていました。美味しい美味しい~

 

 

王さん頑張りすぎないでね。今の幸せを大切にね。

 

まだまだ若いから、(謝さん、1995年生まれ、王さん1993年生まれ)いろんなことにワクワクすると思う。してみたいことも多いし、今ならできると思う。

彼らよりかなり年上のカンコロがワクワク感を求めて、飛び出したのだから、絶対できると思う。

帰国してから、カンコロもワクワクすることあるかなぁ。あるといいなぁ。