143. 大阪のハルモ二、ヤラセに乗らず。
143. 大阪のハルモニ、ヤラセに乗らず。
韓国のテレビの「無限挑戦」で、ハハ(はは)と言う名前の
お兄さんが大阪鶴橋の우도로 (ウトロ)に住む92歳の女の
方を訪ねるという番組を見ました。ウトロのウは右の意味
で日本語でも右は「う」と読みますから同じで、トロは道路
のこと、右道路、右通りの意味かと思います。
このハハには軍艦島にも行かせましたから、番組プロデュ
ーサーの狙いは、日帝に虐げられた、不幸な朝鮮人、を
探すことだったのでしょう。それでこの女の方は17歳の時
に日本に来て、そのままずっと大阪暮らし、ということで、
番組の方もこの方の郷里の写真などを数枚用意して、
どうです、懐かしいでしょう、涙が出るでしょう、とばかりに
お見せするのですが、どの写真もご自分の居た75年前と
は大違いで、違いすぎて涙ナシ。食べ物もこれなどさぞ
懐かしいのではと持ち込んだ物も、鶴橋の方が美味しいし
珍しくもありませんといった普通の面持ちで召し上がって
いるようにお見受けしました。結局、ハハ一人が感情的に
なってしまい、横を向いてむせび泣きする始末。最後に
ハルモニとハハ、ユ チェソクの3人が道でお別れするので
すが、一人ちょこんと通りのイスのようなものに座るハル
モニをみてハハは涙が止まりません。するといきなり
ハルモニが片手を上げて横にゆっくり振りながら, 二人
を見送る歌を大きな声で歌い出したのです。
🎵 さよ~オな~ら さよ~オなら 好きになったひと~~
この歌は都はるみさんの歌ですから、ハルモニは民族の血
を共有するこの歌手がお好きなのでしょう。番組プロデュー
サーの思惑とは異次元の日本を住処としているハルモ二
の姿でした。 17歳で日本に来て大変な苦労をして、と番組
側は日本を恨む泣きのシーンを期待しても、そんな思い込
みに付き合っちゃいられません。ご本人は苦労を越えながら
92歳まで生きて来たのです。周りにはお互い助け合う仲間
がいるし、テレビには同胞の芸能人がワンサカ活躍している
し、私は韓国政府になど何も面倒は見て貰ったことなど
ありゃしません、私らは私らでやってきているんです、と既に
悠然とした域にいる自然体のハルモニでした。韓国では
朝鮮人は日本で酷い生活を強いられたと言いたがりますが、
そんな時代には日本人だって過酷な生活をしていたのです。
松下幸之助さんだって、リヤカーを引いて働いていた時代
です。しかし、私はこの番組を見ていて、番組制作側の日本
に住む韓国系の人に対する「上から目線」を感じましたね。
そして別れしなにアリランではなく日本の演歌を歌って見せた
ハルモニは韓国の茶の間ではどのように見られたのでしょう。
余談ですが、アリランは朝鮮人の魂の歌と言われています
が、ここに出て来たハハ兄さんは他の番組で手をヒラヒラ
足をエッサエッサと持ち上げながら、アリランをもじって
こんな風にふざけて歌っていましたよ。
♪♪ アリ アリラン、スリ スリラン ~~
アリランは満州語で、山たち、山々の意味と前に 推理
しましたが、スリ スリランとはどういう意味なのでしょうか。
アリランも結構ふざけた使われ方をされているじゃないか
と思ったものです。
11-1-2015