飲み友達のバツイチ独身のY君が

 「Hさんは、これまでに映画

  いっぱい観てますよね。

  その中で一番興奮した映画は

  なんですか?」

  なんて聞いてきた。

  

 そこで色々考えた。

 ボクはそのものズバリの

 ただやってるだけという映像は苦手で

 やっぱりちゃんとストーリーがないと

 興奮はしないタイプなのだ。

 

 だからまず思い出したのは

 ここでも以前紹介したが

 日活ロマンポルノの

 「団地妻シリーズ」。

 

 なんか気分がモヤモヤしてる団地妻

 真夏の昼下がり、下着姿で涼んでいると

 たまたま訪ねてきた

 浄水器のセールスマンが・・・。

 

 そこで、

 どの女優さんが一番よかったかな

 なんて考えてたら

 そこでパッと頭に浮かんだ、

 

 そうだ、ボクがなんと言っても

 映画で興奮した一番は

 『エマニエル夫人』だって。

 

 確か30年以上前に観た映画だけど

 今でも鮮明に覚えている

 興奮したその場面とは、

 

 深夜、飛行機の中での出来事、

 薄暗い機内で、斜め前に座る、

 初対面の野生的な男と目が合って

 主人公のシルビア・クリステルが

 妖艶な、誘うような、

 濡れた視線をその男に送る

 するとその男が立ち上がり

 彼女の座席へ歩み寄り、

 唇を合わせ、体を重ね・・・、、

 毛布の中で男が腰を振り・・・、

 シルビアの表情がみるみると・・・。

 

 今思い出しても少々ゾクッとする。 

 

 やっぱり映画でも現実でも

 周囲が見えなくなる、鳥肌が立つような

 興奮を覚えるのは、

 

 イケナイ時に、イケナイ場所で、

 イケナイ人と

 想いもかけずイケナイ事をして・・・、

 そんな場面に違いない。

 

 そうなのだ「イケナイ」の数が

 多ければ多いほど興奮度が増し、

 イッてしまう確率はグッと上がる、

 きっとそれが人間の本性なのだ。

 

 「イケナイがたった一つで

 ビビってる場合じゃないゾ!H君!」