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ヒートショックのない家を建てる

高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 断熱ダクトにはNタイプとSタイプがあります。


左がNタイプ、右がSタイプ。右の方が少し光っているのがわかる。

 これは栗本鐵工所の断熱ダクトの名称のことなのですが、分かりやすいのでこの名称を使います。 


 この違いは内面材料の違いです。


 Nタイプの内面材料は透湿性が高い不織布です。
 それに対して、Sタイプは透湿性が低い樹脂フィルムです。
 通常はNタイプを使うことが多いのではないかと思います。

 Nタイプは吸音効果が高く、消音ダクトの名前でも販売されています。


 断熱についてはどちらもグラスウールを使っているのであまり変わりません。
 今までは冬の結露防止のために使われることが多かったと思います。
 その意味ではNタイプでもSタイプでもあまり違いはありません。


 しかし夏の結露防止では違いがあります。
 夏はダクト内部を通る空気が高温高湿度なので、Nタイプではこの水蒸気が不織布を透過し、グラスウールも透過して外皮まで到達します。
 夏の室内は冷房しているので断熱ダクトの外から薄い外皮が冷やされて、高湿度の空気が露点に達して、内側で結露します。
 夏の冷房が25℃と仮定すると、33℃63%の外気で結露します。絶対湿度で言えば22gです。
 最近の夏の絶対湿度はこれに近いので、直ちに結露するとまでは言えませんが、将来は結露の可能性が高くなりそうです。

 夏の結露防止の観点からするとSタイプの方が効果は高いといえます。

 今後は透湿性が低い樹脂フィルムを使ったSタイプの方が良いかもしれません。

 

 前回記事にした断熱ダクトの結露で気づいたのですが、Nタイプは結露しても内壁に透湿性があり、乾くのは早いのですが、Sタイプは透湿性が低いので断熱層が密閉され、断熱層で結露してしまうと乾きにくいのではないかと思います。
 そういう意味ではNタイプの方が使いやすいように思いました。


 Sタイプを使うときはきちんと勾配を付けて弛まない様にして、断熱層に水が溜まらない様に留意する必要があります。