問題集『古事記』下巻その２～仁徳天皇とイワノヒメとクロヒメ～

政治家として決断力と実行力を兼ね備えており、国民からの人望も篤く、聖帝（ひじりのみかど）と呼ばれる仁徳天皇でしたが、女性問題では難儀することもありました。

仁徳天皇の正妻（皇后）は（①　）といい、未だ健在の（②　）の孫でした。
この①が、なかなかの焼きもちやきでして…。

ある日、吉備国（きびのくに＝岡山県）に（③　）という美しい姫がいると聞き、宮中に招き入れました。
その美しさは噂に違わぬもので、すっかり気に入ってしまった仁徳天皇は彼女を妻としました。
しかし、そんな状況を①が許すわけもなく、仁徳天皇がいないところで、③をいびり倒し、さっさと国へ帰らせてしまいました。
それを知った仁徳天皇は大いに嘆き悲しみました。
その姿を見た①は、さらに怒りをヒートアップさせ、遣いを出して③の乗った船を近くの港に追い込み、「吉備国まで歩いて帰れ」と、③を船から降ろしたのでした。

そんな①に向かって、「③に会いに行く」とは言えない仁徳天皇は、「（④　）が見たい」と言って旅立って行きました。
もちろん、④なんてどうでもよく、一路、吉備国へと向かった仁徳天皇は、③との再会を果たしました。

しかし、「④が見たい」と言って出てきた手前、そう何泊もできず、仁徳天皇と③は別れを惜しむ歌を互いに詠い合いました。
その後、③が古事記に登場することはありませんが、きっと、仁徳天皇のなかでは生涯美しい想い出として残ったことでしょう。