買ったものの、ずっと放置してた村上沙耶香著「コンビニ人間」をようやく読んだ。
これ引き込まれた〜。あっという間に読んだ。これは到底映画化されないだろう。セブンイレブンとか大手コンビニに勇気があれば全面協力して異色作ができるかもしれないが、コンビニはあまり得にはならんかな。
昔、コンビ二で半年ばかりバイトしてたことがあり、おでんが始まる前に辞めた。店長が「おでん始まるとタイヘーン」と何度も言って脅すので、おでん始まる前に辞めた、と言ってはいるが、ちょうど今やってる仕事にシフトするタイミングでもあった。
私はコンビニの仕事、嫌いじゃなかった。むしろ好きだったかも。コンビニ店員はホントじっとしてる時間がほぼなく、マニュアルに沿って次々にやることがある。
接客レジ打ち、品出し、唐揚げなどのファストフードを揚げて並べる、賞味期限の来たおにぎりや弁当を引く、欠品を注文する、合間に掃除、、、みたいな。今ならおでんは年中だ(おでん仕事は今見るとそんなに大変そうには見えないが)。
行動は全てマニュアルに制御されている。
マニュアルを読んだ覚えはない。先輩や店長からの口伝えだったろうか。
わりと優秀な店員だったと思う。
小さな達成感は日々いろいろあった、でも気持ちが大きく満たされることはけしてない、不思議な職場。
省略ができず創意工夫が表向き許されない。
辛いことはそれほどないが、これがずっと続くのはかなわない、と思った。そして辞めた。
ま、しかし、世の中のほとんどの職場も、実は同じようなもんかな。
生きるって、そーゆーことなんかな?(笑)
主人公の古倉さんと白羽さんのやりとりが何とも面白い。白羽さんはクズだが、案外こういう考えの人は身近にいる。とても多いと思う。
古倉さんはフツーに見えてだいぶ壊れている人かもしれないが、そんな彼女が優秀な細胞の一つとして生かされる場がコンビニ。
コンビニ人間。つくづくすごいタイトルだな。