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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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「そんなのはいいさ。それより、役人どもは各地にある教団関連施設を、全部破壊して回ったんだな、麻薬製造施設も破壊されて、隠してた在庫も全部押収だな。役人どもは解っていないと思うが、供給を絶たれた中毒者がどうなると思う?」

「え、そりゃ、薬が切れて、手持ちが無くなったら、次が欲しくなって」

「そうだろ。中毒者は他の何物をにも代えがたい程、麻薬を欲しがる。無ければまあいいやなんてもんじゃなくなる。禁断症状だ」

 

 

 

「そ、そうだよね」

「どれだけの中毒者がいるかわからないが、相当なもんだろう。それが今まで供給を一手に引き受けてた教団が潰されてしまってるんだ、わかるな」

「うん、大変なことになるよ」

「主に麻薬を売ってたのは教団だ。しかし、もう一つ、扱ってたところがあるにはある」

「そうなの?じゃ、そこが今度はって事なのかな?」

「少し違うな。教団の上部組織と言われてる所、つまり、今、どこにあるのか解らず、探しているところなんだが、そこも欲に目がくらんで、教団から仕入れた麻薬をそれ専門の部門が売っているんだ」

「え、街中の中毒者全部に売れる程、持ってるの?」

「そうじゃない、麻薬中毒者は血眼になって、それこそ必死で探すんだ、情報のかけらからでも、噂にすぎないような話でも、何でも駆使してな」

「え、つまり、今までわからなかった本部とか言う奴らを、中毒者が見つけ出すって、そういう事なの?」

 い、いかん、なんかホントに聞こえてくる。

 教祖やってるうちに変な能力に開花したのか?

「そういうことだ。麻薬が欲しくてほしくて仕方ない中毒患者たちは、殆ど動物的本能とでもいえるものまで発揮して、探し出すに違いない」

 ハインツルドルフとグスタフイワノフはお互いに顔を見つめ合い、なんか納得しているみたいだった。

「それ、すごいよ、僕ら、潜入できる数が少ないから、人海戦術を使えないんだけど、こうやればいいんだ」

 グスタフイワノフがなるほどと納得したように言った。

「そうだよね、中毒者の人には悪いかもしれないけど、麻薬に手を出したのはその人の責任だし、これで帝国が救われるきっかけになるんだったら、その人たちも浮かばれるってものだよ」

 いや、まだ死んで無いぞ、ハインツルドルフ。

「我々は任務のためには、時に非常な決断を迫られる事もある」

 完全に自分の無策でやらかしただけなのだが、聞きようによっては捨て身の作戦を決行したようになってきたぞ。

「そうだよね、僕ら、これやってどうなるのかなって考えながらも、きっと何か深い深い意味があるに違いないんだって、解脱の聖水の失敗作とか言う奴を、奉行とか与力とかに盛ったんだよ」

「そのあたりはご苦労だったな。よくやり遂げてくれた」

 引くに引けなくなってるような気がするが、嘘で嘘を塗り固めてるわけじゃないからいいって事にしよう。

「うん、でもすごいよなーー、苦労して上り詰めた教祖の地位を、あっさり捨てるようなことも、次の得物の為なら平気で出来るなんて」

「それもきっとモテる秘訣なんだよ、メモしとこうよ」

 こいつらいつもメモしてるが、果たして今後役に立つと本当に思ってるんだろうか?

「それよりも気になるのが、東垣弥五郎さんと彩芽嬢の事だ」

 この二人の事は気になってしょうがないが、治す方法はあるのだろうか?

 時が片付けてくれるのか、それとも帝国情報部が何か根本的治療法を見つけてくれるか、そんなことしか考えられない。

 しかし、それを除けば、だいぶ気が楽になってきたし、もしかしたら本当に本部なる者の在処か、またはそれにつながる重要な拠点を、中毒者たちが見つけ出してくれるんじゃないかと、そう思えるようになってきた。

 あとは肥溜めに潜んでたことを皆が忘れてくれることを祈るだけだ。

 自動操縦のハンビーは荒れた裏道を進み続けており、目的地までもう少しの所に来ていると思われる。

「それなんだよーー、あ、さっきまでの話、エスメラルダに報告しとくね」

 グスタフイワノフがエスメラルダにテキストメッセージで、さっきまで話してたほんとっぽい事を送信し始めた。

「じゃ、代わって僕が。彩芽嬢とかだけど、あれ飲んだら究極的な紳士淑女になると思い込んでたみたいなんだよ」

「そりゃそうだよな、なんか聞いた限りでは、ろくでもない奴が飲むとなぜか聖人君子になって、まともな人が飲むと、そうでもないらしいし。それどころか、幼児化現象を起こして、そのまんまみたいな感じすらするぞ」

 本物だと幼児化現象を起こした後、高い確率で解脱するらしいが、失敗作の方だとどうなるのかまだ全く分かっていない。

「そうなんだよね、でも、そんなこと知らなかったら、飲んでみようかって気にもなるのも解ってあげてね」

 お前らも飲もうとしてエスメラルダに止めれてたって聞いたぞ。

「これは非常に言いにくい話だ、特に東垣弥五郎さんや彩芽嬢の前ではな。しかしお前たちには言っておこう。紳士、聖人君子、そういうものは日頃の行い、考え方、学問、努力によって辿り着くものだ。安易に薬なんかに頼るのは、あまり見上げた方法じゃない。それに、見たり聞いたりした限りだと、解脱の聖水の失敗作なんて薬を飲めば、それまで持ってた人格が無くなり、頭の中が、何かに上書きされるみたいな感じだ。つまり、自分が自分じゃなくなるみたいなんだ。いいか、決してそんな安易な方法に走るような、そんな真似だけはするんじゃないぞ」

 


 

 

 


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