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ブログ連載一周年を記念し、ストーリーのまとめの為Wikiを制作しました。

 

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 しかし、だ、完全気密保障のウエットバッグの中とはいえ、肥溜めの底に十数時間も潜む羽目になるとは…‥‥。

 あーーあ、プローブドローンが見てるんだから、エスメラルダも当然知ってるんだ、兄のように慕ってくれてる子なのに……。

 ハインツルドルフとグスタフイワノフも知ってるんだろうな。

 あ、それどころか、データーアンドロイドⅤ5も知ってるって事じゃないか、あいつはあほだから平気で情報流すぞ、こっちの気も知らずに。

 

 

 

 

 

 まてよ、って事は軌道上で待機しているトレスパスのピーター艦長にも知れるってことだ、きっと大笑いしてんだろうな。

 まてよ、乙女十字軍にも知られるってことじゃないか。

 どんどんどんどん気持ちがブルー、いや、肥溜めの中身色になってくるじゃないか。

 そういえば、帝国を出発する前、軍の士官が、共和国に行くくらいなら、ウエットスーツを着て肥溜めに潜った方がましって言ってたな。

 その時は、そんなに酷いとこなのかーー、くらいに聞いてたけど、まさかほんとに自分でそれをすることになるなんて、想像もしていなかった。

 水圧というのか、何圧というのかは知らないけど、結構圧迫感もあったし、上に上がるときに滑ったし、それ以前にウジ虫かなんかに転生してしまったんじゃないかと、寂しい思いしたし、ここまでしてるのに見つかって、連行されたらどんな気分になるだろうと、情けなさすぎる思いもしたし。

 ウエットバッグの中に潜んでて、肥溜めの中にいても体には、それらが付く事はなかったというのを唯一の救いに、迎えに来てもらってる待ち合わせ地点に、弱い足取りで向かって行った。

 進んでいく道に取り方役人がいないことは、プローブドローンで確認はしているが、慎重さを崩さないに越したことは無い。

 しかし、ハンビーに戻ったら、なんて言やいいんだ、上手い事教団に潜り込んでしかも教祖にまでなっておきながら、奉行や役人を聖人君子にしてしまい、結果として悪事ばかり働いていた極悪教団をつぶさせるって事になってしまった。

 情報を聞き出すために利用しないといけない貴重な組織だったんだ。

 何を考えてるんだとか、行き当たりばったりで適当に任務をするからだとか、色々と正当な批判をされても、何も言い返せない。

 肥溜めにはまって反省していたとでも言い訳すべきなんだろうか?

 実際、貴重すぎる情報源をつぶしちゃったのだ、会って仲間にあわす顔がない。

 とぼとぼ歩いてると、それでもいやでもハンビーが見えてきた。

 肥溜めの臭いが染みついてないだろうな、とか、しょうもないことを考えながら、扉のそばに近づいていくと、中から扉が開いて、グスタフイワノフが飛び出して来た。

「えーーん、よかった、よかったーー、生きてたーーー」

 泣きながら抱き着いてきた。

「早く入って、ここから離れようよ」

 ハインツルドルフが中から泣きながら言ってきた。

「あ、ああ、そうしよう」

 申し訳なさそうに呟いたのが、二人には相当疲れているように見えたらしい。

「はやく、はやく、誰かに見つかると大変だよ」

 グスタフイワノフに押し込まれるようにしてハンビーの中に入った。

 乗り込むとすぐに扉を閉め、自動操縦で走り始めた。

「もう大丈夫だからね、でもよかったーー、ほんとにすごいよ、何千人も取り方が来てたもん、もう駄目だって思ったもん」

 ハインツルドルフの言ってるのを聞く限りでは、物凄い騒ぎだったんだなと今更ながらに思った。

「ああ、教団施設は全部灰だ」

「信者も全員連れてかれちゃったよ。でも、自分がいる所を取り方役人に攻撃させるなんて、よっぽどとんでもない事があったんだよね、きっと」

「そうだよ、僕らじゃ考えもつかない、物凄い事で、しかも急がなきゃなんない事があったんでしょ?」

「エスメラルダも言ってたよ、何もなければこんな急を急ぐことなんかしない、絶体にとんでもないことが起る寸前だったんで、そしてそれを阻止したんだって」

 え?なんかこの二人の話を聞いてると、どうしようもない事態が起って、綿密な計画を立てながらも、背水の陣を取ったとでも考えてるみたいだぞ。

「今までも、僕らじゃ考えもつかないことをして、全部うまくいてるから、その辺は心配してないけど、でも、今回のは危険すぎたよーー」

「教団、今度は今までにないくらいのとんでもないことをしでかそうとでもしてたんじゃって、小惑星を地表に落下でもさせようとしてたんじゃないかって……」

 なんか二人とも、良い様に解釈してくれているみたいだ。

「すまなかったな、心配かけて、不測の事態が相次いだんだ」

 そう、パッパラパーになる筈の奉行たちが聖人君子になったりとか、不測の事態が続きまくりだ。

「でも、勇気あるよ、僕らだったらいくらウエットバッグがあっても、肥溜めに隠れるなんて限界を超えた勇敢な事、できないもん」

 そ、それを言わないでくれ……。

「それができるかどうか、常にそういう気持ちでいられるかどうかが、モテる秘訣なんだよね?」

 絶対に違うと思うが。

 普通に考えてみろ、肥溜めに潜って隠れるような奴を女の子がどう見るか。

「そんなこと考えもしていないよ」

「そうだよね、常に任務の為に自分なんか捨てることが出来るのを、当然みたいに考えてるから、それを女の子は感じて、モテるようになるんだよね」

 何を言ってるんだ、こいつらは、まったく。

「そんなのはいいさ。それより、役人どもは各地にある教団関連施設を、全部破壊して回ったんだな」

「うん、それは徹底してたよ」

「麻薬製造施設も破壊されて、隠してた在庫も全部押収だな」

「うん、街から麻薬を一掃したって喜んでるみたい」

「まだ役人どもは解っていないと思うが、供給を絶たれた中毒者がどうなると思う?」

「え、そりゃ、薬が切れて、手持ちが無くなったら、次が欲しくなって」

「そうだろ。中毒者は他の何物をにも代えがたい程、麻薬を欲しがる。無ければまあいいやなんてもんじゃなくなる。禁断症状だ」

 


 

 

 


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